危ない光景

福祉用具のことについて　今年はもう少しまじめに
というか　頻度を増やして　伝えて行くようにします。

年末によく見かけた光景。
大型スーパーで、お店のカートによっかかりながら買物をして、
レジを済ませると、入口に置いてあった自分のショッピングカートに荷物を押し込んで、
杖をついて　ショッピングカートを引きずりながら歩いて帰って行く・・・

年齢、歩行状態に関わらず、
かなりの人が“ショッピングカート”なるものを使用している。
車がついているので、腕で荷物を持つよりは楽・・・との理由かと思われる。

けれど、カートを引っ張ると必然的に身体が歪む。
後ろ手に引っ張るので　上半身がねじれる形になる。

歩行姿勢というのは“バランス”が何より大切。
身体はある意味とても素直。
外的要因で身体が歪むと、その歪みに合わせてバランスを取ろうとする。

ためしに　まっすぐ立って、腰を曲げてみる。
歩こうとすると　顔を上げる。
少し歩くと、膝が曲がってくる。
（そのまま歩くより　膝を少し曲げると重心が下がり確実に安定がよくなるから）
そして　すり足になる。（膝が曲がると足が持ち上がりにくいから）

腰（背中）、膝、足首の返し・・さらには股関節、首、肩・・・要因は多々
身体は全てつながって、バランスを取っている。

“楽だから”という安易な使用は、つもり積もって、
いろんなことを引き起こすことにもなる。

メーカーの商品説明には
「○○は買い物に使用するショッピングカートです。
歩行を補助する歩行補助車ではありません。」
との記載がある。

このことからも、少なくとも杖をつく必要がある人が使用するものではない。

杖をついて　カートを引くより、前で押して歩く方が安全。
両手で押すので身体のバランスも取れる。
進行方向と力がかかる方向が同じなので
身体への荷物の負担も軽減される。
物理的に明確。

それでも　なかなか普及されない。
押すタイプのショッピングカートは、シルバーカーと呼ばれているので
そのことが余計に使う側の抵抗を煽る気もする。

今年は“押して歩こうキャンペーン”でもないけれど
少しでも長く、楽に　バランス良く歩き続けらることを応援するために　
いろんな情報を紹介していきます。

またこの項続くで・・・