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高齢者化粧療法とは~メイクをツールにQOL(クオリティオブライフ)向上!

2020年12月2日

テーマ:福祉ケアメイク

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: アンチエイジング認知症予防副業 おすすめ

誰もが無理なく簡単に社会貢献!


【高齢者化粧療法】
『メイクをツールにQOL(クオリティオブライフ)向上)』

昨今「少子高齢化」は社会課題でありますが、皆さん「高齢者介護予防」に最適とされる「化粧療法」をご存じでしょうか?

高齢になっても美しくありたいという気持ちを持つ事で、認知症の症状緩和や その人らしく生きる事の支援をする「美容、心理行動療法」です。

実はこのような支援やサービスは歴史が古く、1940年代後半に高等学校卒業予定者に向けての【整容美容】が前身であり 、社会人への入口は身だしなみを整える事といった概念から、【高齢者へもADL(日常生活動作)の向上や自立支援】にもなり得ると明らかになった経緯も重なり【社会貢献】の一環となっていきました。

そうするうちに並行してデータによるエビデンス【心理的、身体的、社会的効果の根拠】も積み上げられてきた分野です。

高齢者自身がこれまで行ってきた身だしなみを手助けしたり、再度自分の意思や力で行える等、例えば具体例としては、手指が動かし難い方が化粧品の蓋を開ける等の日常のリハビリにもなります。

それらの支援により、 【感覚器官である五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)】が高められ、周囲も巻き込み、ひいては地域や社会とのつながり等、希薄になりがちであった交流機会等も深まってくるのです。

福祉施設訪問は基より、例えば2011年の東日本大震災のその後メイクボランティアも盛んであったようです。

高齢者化粧療法活動を行う当団体も、2018年の西日本豪雨(岡山県倉敷市真備町)の際には倉敷市災害支援センターを通じ、高齢者や地域住民の皆さんへの癒しと行動の増加になればと、定期的にコミニュティ拠点に伺わせて頂きました。

因みに、終了後昼食にイベント用の大きなフライパンで作ったビビンバを頂きましたが、皆さんキレイになられてからの食事をとる事は、所謂日本人の風習である「ハレの日」(美しく装い美味しい食事をする、心が晴れる特別な日)の光景を模ったものであり、ケアさせてもらう側も、まさしく化粧療法は、感覚器官を整える事であるとの理論どうり「味覚までの五感全てが研ぎ澄まされ」格別な美味しさを感じたように思います⇒【QOL(クオリティオブライフ)生活の質が高まる!】

◆【化粧療法の効果】

①心理的効果 (回想、安心感、自尊心、自己承認 他)
②身体的効果 (血圧の安定、痛みの緩和、口腔(唾液の量 )他
③社会的効果 ①②により(コミュニケーションの増加や家族や周囲との繋がりや自分以外の他者や社会への興味関心が高まる )

(事例)・まだ頑張れると感じ外出したいと思うようになった ・周囲にお礼を言う事が多くなった ・ディサービスの同じテーブルの人に声をかけるようになった ・体操やリハビリも頑張るようになった ・園芸(水やり)を日課にし周囲に花を鑑賞してもらうようになった ・地域社会参加(地域の会合やイベントに顔を出してみようと1歩を出した)

◆このように【整容とメイクをして差し上げる】又は【ご自身で行う整容やメイクを手助けする】は勿論の事、整容やメイクをする事のみが目的ではなく【生活支援の一助として「生活の質を高めるケアや積極的に空間創り(コミュニティ)をリードする」ボランティア活動(セラピスト)が【高齢者化粧療法活動】です。


◆【高齢者化粧療法ボランティア活動の形態】

社会貢献やCSRとして
〇非営利の団体やボランティア団体が福祉施設や病院等へ訪問
〇化粧品会社関係による福祉施設や病院等へ訪問  
〇自治体や社会福祉協議会 〇地域包括センター 〇公民館でのカフェ 〇いきいき教室 〇100歳体操 〇空き家活用の組織  といった機関や団体との協働 等

※自治体では特に社会インフラ(社会の基礎整備)トータルサポートの中の一つとしての化粧療法の利活用であったりします。 (メイク一つがツールとなって様々な「機会創出」となり得ます。)※下記は宮崎県西都市、厚生労働省の地域雇用創造事業参画の際の情報(広報チラシ)です。


ただ、「高齢者の生活支援とは、一つのあり方ではなくその人なりの個性」があり、レクリエーションや支援方法は人の数だけ多様であるわけですが、中でも化粧療法はその対象者のみではなく、周囲や関係者や支援する側までの全体のフィールドのモチベーションやスキルの向上や地域活性化、ネットワーク構築といった幅を広げていく事が出来ると言えます。

高齢者への「化粧療法」「行動療法「生活支援」「介護予防」「行動の増加」・・・という要素から「未来の地域福祉コミュニティ」等、「その先」を「価値創造」出来る!と私共も活動する中実感しています。 (事例)「される側から(よりも)する側でありたい」と実際60代~80代のセラピストが生まれてきたりします。


美は女性の武器です。特にメイクは「潜在性(外面から内面)に働きかけられる」事により、喜びの表情も他の媒体と触れる時とは少し異なるようです。

「高齢者化粧療法」は たんに「キレイになったら嬉しいでしょう」といった表層ではなく「生きる事」「人生」「その人を取り巻く環境」「共有、共存」「実践・効果・改善」といった普段私達人間が感じ思考し行動に移している事柄の本質でもあるでしょうか。何より、世代を超えて互いが尊重し合え【ボランティアされる側もする側も自己承認】が出来る事が要なのかもしれません。


◆◆【まとめ 】

「〇医療福祉従事者の方〇前期(65歳~74歳)高齢者(日常生活活動可能なアクテイブシニア)〇高齢者の役に立ちたい方や社会貢献したい方〇ボランタリー精神のある方〇副業をする前にボランティアしてみたい方、等が

「〇メイクを用いて〇福祉施設等現場等で人生の先輩である後期高齢者へ(男性もハンドマッサージ等可能)〇喜んでもらいたい、笑顔になってもらいたい」その事を自発的に行う事(ボランティア)です。(無償ではない有償サービスもあり。)


※【化粧療法の効果」】

①心理的 ②身体的 ③社会的 効果
↓↓↓  ↓↓↓
【高齢者を取り巻く環境、医療福祉施設等のニーズに応える一助となる! 】

しかし。ここで終わってしまっては残念です。

⇒【世代間交流や二次的にチーム作り、コミュニティ構築 近所・地域との連携(小さな社会) 】を目指すことも可能です。

◆◆セラピスト(ボランティアさん)自身の、第2第3の人生「自分は何をする事が「生き甲斐・遣り甲斐」なのか?」「人生100年時代」への希望の持てる要素も見つかり「ライフキャリアを積むキッカケ」になるかもしれません。

そして活字や情報だけでの「高齢化社会」「貢献」「ボランティア」というキーワードではなく、「高齢者」も一括りではない「その各個人の背景や環境等の細やさも目の当たりにもしながら、お互いの「自己肯定感」をも生み出す。そんな【これまで以上に心豊かな人生設計の為の機会創出としても、高齢者化粧療法ボランティア参加】をしてみてはいかがでしょうか~。

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◆ご参考までに ・・・。
〇「ボランティアとは」 【自主性・無償性・非営利性 社会性・連帯性・先駆性・創造性】を持って、出来る事から無理のないように等の心構えが謳われています。又、

〇ボランタリー精神を持つ人々が他者や社会の為に貢献する中、万が一の事故等に備える為の【市民活動災害共済】(日本全国最寄りの社会福祉協議会)も準備されています。

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○(「私を演じる」女性のライフキャリアのあり方提案の紹介記事もご覧くださいね↓)

ライフキャリアコンサルタント 大地良枝
(国家資格キャリアコンサルタント)
※お問い合わせは神戸新聞マイベストプロ神戸「フォーム」よりお願い致します。


事業内容
■【団体・企業様セミナー・講演講師】
(※女性のライフサイクル・ライフキャリアにおける全般、人材育成・自己研鑽セミナー)
■ライフキャリアコンサルテイング

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■【福祉ケアとしてのメイクを用いた・シニア・高齢者セミナー・講演】

この記事を書いたプロ

大地良枝

「私を演じる」女性のライフキャリアのあり方提案のプロ

大地良枝(NPO法人 美メイク・アクトレス)

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