平屋は安いのか?
今回のコラムのテーマは家をリフォームで新築同様にできるかです。
建築費の高騰が続く現在の状況ですから、中古住宅をリフォーム、リノベーションして新たな住まいとしたいと考えている人もいると思います。
今の家のリフォームを考えている人、中古住宅を購入してリノベーションを計画している人は、このコラムを参考にしてください。
木造住宅をリフォームで新築同様に
家をリフォームで新築同様にできるかですが・・・結論からいうと新築同様にリフォームすることは可能です。
ただ、それには条件があり相当な予算をつぎ込むことが絶対的な必要条件となります。
たとえば2階建て、4LDKくらいの「普通の住宅」のリフォームを考えてみます。
新築同様のリフォーム計画というと、リフォーム項目は多岐にわたります。
室内を綺麗にする
壁紙張り替え、床の張り替え、天井張り替え、室内ドア交換など
水廻りを新しくする
お風呂、トイレ、洗面、キッチン改修など
建物外装を綺麗にする
外壁塗り替え、屋根改修、防水工事など
断熱性能アップ
断熱材追加、サッシ交換、玄関ドア交換など
安全性向上
壁耐震工事、基礎耐震工事、給湯設備更新、配管更新など
これらの工事費用を考えると、ざっくりと以下のようになるでしょうか。
新築同様=新築より高い?
ここで問題になるのは、新築と遜色のないレベルまで家の改修工事を行った場合、かかる費用は新築を超えてくる可能性が高いことです。
これは特別なことではありません。
たとえば新築同様に仕上がりになる「新築そっくりさん」の施工価格は、同じ大きさの新築住宅を建てるより高くなることがほとんどです。
コストパフォーマンスを重視するのであれば、リフォームで新築同様にすることはあまり合理的な選択肢ではありません。
新築同様フルリノベーションは簡単ではない
今回のコラムは決してリノベーション工事の全てを否定しているものではありません。
既存の家を住みやすいようにリフォームするのは既存住宅の活用、資源の有効利用という意味でも良いことだと思います。
ただリノベーションで新築同様の家に!のような宣伝文句については、ある程度懐疑的にみてほしいと思います。
確かに新築同様の家に改修することはできますが、見た目だけでなく安全性や機能面まで徹底して工事をするなら費用も新築以上にかかるのです。
リフォームというと見た目の綺麗さを重視する人が多いかと思いますが、家によってはまず配管や耐震、防水を重点的に修繕しなければならない場合もあります。
リフォーム工事の要点は家によってそれぞれ違います。
工事費を絞るといっても、どのような工事が合理的、効果的なのかを判断するのは簡単ではありません。
場合によっては工事をしない方が合理的だったということもあります。
高額のリフォーム工事を計画する場合には、まず建築士などの専門家に相談してください。



