個性を活かすのがレッスンです 

深田洋史

深田洋史

テーマ:オーダーメイドのゴルフスウィング

一時はゴルフをやめようとまで思っていた方が、1年半で両ハーフ50を切って100が切れるようになりました

Tさんは60代半ば。オーシャンゴルフアカデミーを訊ねてこられた時は、『もうゴルフをやめようか?』とまで悩み疲れておられました。
前に受けていたレッスンで、自分にはできないこと(私に言わせれば無茶なレッスン)をさせられ、できないと『はぁ~。なんでこれくらいのことができないのかなぁ!』と言われ、萎縮しガタガタにされていたのです。
私と共通の友人からの紹介で来られた時は、いわばゾンビ(生ける死人)状態でした。
私はTさんにできる範囲でのことしか指導せず、できるようになってきたら次のステップへ・・・を繰り返し、悪いところを直すより良いところを伸ばすような指導をしました。
その結果、先日のラウンドレッスンでは太平洋クラブ宝塚コース(レギュラーで6418ヤード)という長い、しかも傾斜地からのショットが難しいコースで、アウト47・イン49の96で廻られました。
このコースは結構難しいんですよ。しかもその日は風もありましたしね。

では解説していきましょう。

1でグリップエンドがスウィングセンターの前にあります。捻転も順調ですね、
2で少し捻転が遅れています。赤い線のところまで来ていて欲しいのですが、青い線のところまでしか廻っていません。
3では2と同じ程度の遅れはあるものの、手首の角度とフェースの向きは素晴らしいです。

ただ4では右ひざが伸びてしまっています(黄色い矢印)
これが後で腰のスウェイの原因になります。
5ではきれいに右に載れていますが、少し左腰が廻らず残っているのが分かりますか?
それでも左手の甲とフェースの向きが一致していますから、大きな問題にはなりません。
6の黄色い矢印をご覧ください。切り返しのタイミングがいいから、シャフトはすでにしなり始めています。
赤い線のところまで体重も動いていますね?

残念なことに、4での膝の伸びが7では左斜め下方向への動きとして出てしまいました。
(緑の矢印)
そのせいで8では左腰が黄色い矢印の方にスウェイしています。
なので9では、7の逆方向にひざの高さが変わっています(緑の矢印)

10を見ると、黄色い矢印のほうにスウェイしているのが良く分かりますね?
11でグリップエンドがスウィングセンターの前にあるだけに、このスウェイによる飛距離のロスがもったいないです。
白い枠で囲ったヘッドの向きもいいですね?
12では、スウェイによって体重が右(青い線)に残っているのがはっきり分かります。

この右ひざの伸びからくるスウェイが無ければ、13の右かかとは14の白い枠で囲ったくらいにまで来ているはずです。
つまりまだ体重=スウィングのパワーがヘッドに伝わり切っていないのです。
15でも体重は赤い線の所まで来ておらず、青い線の所までです。
だからシャフトが赤い線の所まで来ないのですね。

このホールのTさんのショットはやや右へ出て、200ヤードチョイ。
上で述べたように右ひざが伸びる癖があるため、飛距離をロスしていました。
しかしこれは逆に言えば「ここを直せばもっと飛ぶ!』とい伸びしろがあるわけです。
事実Tさんは、アウト9番ホール(445ヤード・パー4)では、推定230ヤード飛ばし、2オンはならなかったものの、グリーン近くまで持って行くショットが打てました。

レッスン書にある通りできないといけないわけではありません。
というか、そんなことができる人はごく稀だといってもいいくらいです。
自分のレッスンの方にはめ込むことがレッスンではないと私は考えています。
『その人の個性に合わせ、個性を活かしたスウィングを作る』ことこそが、その人のためのレッスンだと思っています。
Tさん。もっと個性を活かして、もっとスコアも上げていきましょう!
一緒に頑張りましょうね

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深田洋史
専門家

深田洋史(スポーツインストラクター)

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