本当に何も知らない初心者のためのマナー講座 第2回

深田洋史

深田洋史

テーマ:マナー

本当に何も知らない初心者の方のためのマナー講座
第2回



『もっと初歩的なマナーを、一から教えて欲しい』というリクエストを頂きました。
やはり私が『こんなことは知っていて当然だろう?』と思っていることでも、
初心者の方からしたら『全然わからないこと』なのだと教えて頂きました。
ベテランの方には『なんだ、そんなこと当たり前じゃないか』と思われたり、
『退屈な話を書きやがって!』と思われるかもしれませんが、すべてのプレーヤーが
快くラウンドするための講座です。どうかご辛抱くださいね(笑)
第1回目は、服装からセカンドショット以降お送りしました。
今回、第2回はグリーン上から帰るまででお送りします。


☆グリーン上

 ☆カートは、ホールの出口(次のホールに近い場所)にあらかじめ廻しておきましょう。
  電磁誘導カートでも、自分で運転するカートでも、出口に廻しておきましょう。
  ホールアウトして、カートを取りに(リモコンで動かして)行く時間がロスです。
  また、カートが次のホール近くにあれば、さっさと乗り込んでスタートできます。

 ☆アプローチに使ったクラブは、次のホールに近いところに置いておく。
  カートを廻して、アプローチをするとき、使い終わったクラブをその場に置いて
  おくとまた取りに戻らないといけません。
  これではカートを廻しておいた意味がありませんね?
  クラブは、できるだけ出口に近いところに、まとめて置いておくようにしましょう。
  時間の短縮のほかに、忘れ物防止の効果も高いですから。

 ☆ピンフラッグはグリーン外へ置きましょう。
  ピンフラッグを抜いた時は、グリーンの外に置くようにしましょう。
  やむを得ずグリーン上に置く場合は、できるだけ低い位置まで手で下ろし
  ガチャン!といわないよう、そっと置いてください。
  乱暴に置くと、グリーン面を傷つけてしまいますから。
  また2019年のルール改訂で、ピンを挿したままプレーすることができるようになりましたから、
  初心者の方の場合、時間短縮のためにも、そのままプレーされることをお奨めします。

 ☆足を引きずらない。
  足を引きずると、グリーン面に線状の傷がつきます。
  傷をつけないように気をつけて、グリーンの上を歩いてください。

 ☆ボールマークは他人の分も直しましょう。
  グリーン上にボールが落ちた時、ボールがグリーン面に刺さることがあります。
  このボールマーク(ピッチマーク)はプレーの邪魔になります。
  自分がつけたものを直すのは当たり前ですが、他人の分も目に付いたら直しましょう。
  その際、グリーンフォークを下から上に持ち上げると、芝の根を切って
  しまいますから真っすぐ刺して、内側に(刺さった側は動かさず、持っている手を
  内側に)入れるようにして穴を埋めましょう。

 ☆マーカーはボールの後ろに置く。
  ボールをマークする時、マーカーを置きます。
  マーカーは必ずボールの後ろに置いてください。
  前に置くと、『プレーの線に触れてはいけない』というルールに違反します。
  また横に置くと、カップに対して斜めになるため、正確にリプレースできません。
  正確さを期すためにも、マーカーはボールとカップをつないだ線の真後ろに
  置いてください。

 ☆誰かがアドレスに入ったら、しゃべらない、動かない。
  パットを打つ時、とても集中しています
  プレーヤーの視界に入らないことが理想ですが、入る場所で自分の番を待つ場合
  アドレスに入ったら、しゃべったり動いたりして、集中を乱してはいけません。
  静かに、じっとしていましょう。

 ☆ラインを読んだり、歩測するのは他者のプレーを待っている間にしましょう。
  初心者の方でも、パッティングラインを読みますよね?
  その時、自分の番が来てからやっていたのではスロープレーのもととなります。
  自分よりカップから遠い人が準備をしている間にやっておきましょう。
  自分の番が来たら、あらかじめ見ておいたラインに合わせてさっさと打ちましょう。

 ☆最初にホールアウトしたら、ほかの人のクラブを集めて回りましょう。
  よく1番最初にホールアウトした人は、ピンを持つと言われますが、それは2番目に
  ホールアウトした人にやってもらいましょう。
  1番にホールアウトした人は、グリーンの周りを見回して、アプローチで
  使われたみんなのクラブを集めて回りましょう。
  集めたら、さっさとカートに行って、乗ってしまってください。

 ☆クラブは次のホールで片付けましょう
  全員がホールアウトし、カートに戻ってきたとき、その場でクラブを片付けるの
  ではなく、最初にホールアウトした人が抱えたまま発車しましょう。
  次のホールで止まった時に、それぞれにクラブを渡して片付ければいいのです。
  もしカートの所で片付けていると、次の組の人たちは危険回避のため
  (球が当たるかもしれないため)打てません。
  進行を早めると同時に、安全確保のためにもその場では片づけないでください。

 ☆スコアは次のホールでつけましょう
  クラブと同じで、そのホールでスコアカードを記入するのはやめましょう。
  さっさと移動して、次のホールで記入すればスムーズに進行できますから。

 ☆もし前の組の落とし物を見つけたら
  時々ガードバンカーの脇や、グリンのエッジあたりでPWやSWを
  拾うことがあります。
  落とし物、忘れ物を見つけたら、自分たちのクラブと混じらないようにして
  (カートの傘入れに入れる等)クラブハウスに戻ったら、キャディーマスター
  室に届けてあげましょう。
  たまに、折り返しのホールなどですれ違う場合がありますが、
  『忘れ物をされていないですか?』と聞いてあげましょう。
  もちろん向こうから『これこれのクラブ拾われていませんか?』と
  聞いてくる場合もあります。 

☆ホールアウト

 ☆ピンは真っすぐ挿しましょう。
  ピンをいい加減に挿すと、風で揺れてカップのふちを傷つけてしまいます。
  また、ピンが斜めになっていると、後続の組がグリーン面の傾斜を勘違いし
  狙いが狂ってしまう場合もあります。
  ピンを挿す時は、下まできっちり挿しましょう。

 ☆忘れ物はないですか?
  毎ホール、自分のクラブはちゃんとあるか?を、確認しましょう。
  ホールアウトしたばかりなら、走って取りに戻ることもできますが、
  次のホールまで行ってしまうと、必要なクラブが無い!なんてことに
  なってしまいますから。
  そのためにも、前述したように最初にホールアウトした人が、全員のクラブを
  集めて持っていくようにしましょう。

☆スコアカードの訂正は二重打消し線で。
  スコアカードの誤りに気づいたら、消しゴムを使ってはいけません。
  必ず二重打消し線で訂正しましょう。
  消しゴムを使うと、不要な疑念を招きますから。



☆クラブハウスから退場まで

 ☆クラブハウスに戻ったら、再度自分のクラブ(持ち物)の点検をしましょう。
  もし忘れ物があったら、キャディーマスター室に届けて、探してもらいましょう。
  お風呂に入っている間に、後続組が届けてくれる場合もありますが、
  その日のうちには出てこないときもあります。
  そのコースに再度行く予定があれば、次回受け取ればよいですが、もしない場合は
  出てきたら、着払いの宅配便で送ってもらうよう頼んでおきましょう。
  またここで(マスター室前)で、キャディーバッグの引換券を渡される場合が
  多いです。失くさないように気をつけましょう。
  クラブハウスに入る前には、必ず靴をきれいにしましょう
  エアーで掃除する機械がありますから、それで芝や土を落としてから入って下さい。

 ☆風呂場
  公衆浴場と同じです。
  他の人の迷惑にならないようにさえすれば、何も特定の決まりごとはありません。
  ただ、貴重品は決して持ち込まないようにしてください。

 ☆フロント
  プレーフィーの支払いをしましょう。
  ほとんどのコースでは、クレジットカードが使えますが、中には現金しか扱えない
  というコースもあります。事前に確認しておきましょう。

 ☆昼食時(書く場所がなかったので、ここに書きます)
  たいていの場合、スループレー(休憩なしで18ホールを回る)ではなく、
  ハーフ(9ホール)を終えた時点で、昼食休憩が入ります。
  一般の公共の場所と同じで、携帯電話は使わない。
  使う時は、いったん外に出る等の配慮をしましょう。
  車を運転している場合はもちろんですが、運転していない場合でもアルコール類
  (ビール等)は飲まないようにしましょう。
  夏場であれば熱中症の危険もありますし、何よりスポーツです。
  観戦ならアリでしょうが、自分がプレーするのにアルコールを飲みながらやる
  スポーツなんてないですよね? そのあたりを自覚し、自律しましょう。

 ☆支払いが終わったら
  クラブの引換所で引換券を渡し、キャディーバッグを受け取ります。
  車を取りに行って、クラブハウスまで戻ってから積んでもいいですし、
  そのまま車まで担いで持って行ってもいいです。

 ☆最後に
  安全運転で帰って下さい。お疲れ様でした。
  家に帰るまでが遠足・・・じゃなかった、ラウンドですよ(笑)


いかがでしたか?
このお問い合わせをくださったNさんは、生徒さんではありません。
いわゆる『一般読者』の方です。
正直言いまして、こういうお問い合わせはありがたいのです。
私自身が気づかなかったことを気づかせてくれますし、何より自分が忘れていた視点を思い出させてくれるからです。
皆さんも、何かお聞きになりたいことがありましたら、Nさんのように遠慮なくお尋ねくださいね。
それが私の成長にもつながりますし、皆さんのお役にも立ちますので。
どうかお気軽にご連絡くださいね!

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深田洋史(スポーツインストラクター)

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