クラブを上げる角度で体重移動がおかしくなる場合があります
スウィングの分析
飛距離は充分出るけれど、時々引っかけで悩んでいるNさんの場合
Nさんは50代半ば。割と身長の高い、左利きの方です。
飛距離も十分出ますし、お上手なんですが、球に出る引っかけに悩んでおられます。
では解説していきましょう。
1を見ると、体重軸が少し遅れている(赤い線に来ておらず、青い線の所まで)だけで、手首とひじの角度は文句なしです。
しかし、後述しますがこの遅れが引っかけの最大の原因なのです。
2では手首・ひじの角度、さらには手の甲の向きとフェースの向きも完璧です。
しかし、3では赤い線と青い線のズレから手首の角度は保てていますが、手の甲の向きとフェースが一致していません。
これは頭が左に残り過ぎ、これ以上捻転できなくなってしまって起こっています。
4では左手を前(前傾していますから、重力に対しては下)に押しています。
文句のつけようのないダウンスウィングの開始です。
ところが5では、やはり赤い線と青い線のズレでクラブがフラットに下りてきてしまっています。
6では1と比べてリリースが早いのが分かると思います。
7では、手は前に押せている(緑の矢印)のですが、右腰の開きが早いためフラットに入ってきたヘッドがさらに横から叩く形になっています。
そうなると、ヘッドはアウトサイドインに入り、8を見れば分かる通り返りすぎてしまって引っかけになります。8の白い枠で囲った部分の手首は開いているように見えますが、軸が青い線の所で廻っているため実際には外から入ってきているのです。
9では膝のラインが地面と平行であるはずのところ、黄色い線のように傾いています。
またクラブもかなりインサイドに振られているのが分かりますね?
10から12にかけては、軸の傾きが良く分かります。
特に12では体重が左に残りすぎているため、右のかかとが浮いてしまっています。
これらのエラーの主たる原因は、テイクバックで頭が残りすぎていることにあります。
1・2・3の写真を見て頂けば分かる通り、モーションそのものにはエラーは見当たりません。
テイクバックの時に、もう少し左に頭を持ってくるようにすれば、引っかけは収まるはずです。
またこの頭が残ってしまう元々の原因ですが、セットアップ時に腰が垂直方向に落ちることにあります。
俗にいう『ケツが下がっている』状態です。
Nさんはセットアップ時に少し背中を伸ばし、ケツを上げることを心がければ、頭が残りすぎることも減り、引っかけも減少するでしょう。
いかがでしたか?
Nさんのように、モーションは問題ないのにショットではエラーが出ることってありませんか?
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