ショートコースでのラウンドレッスンPart4 女性中級者
コース上での風対策
アゲンストでもいつも通りの距離を飛ばそうとしていませんか?
自然に勝とうとすると、大怪我をしますよ
先日、生徒さんから風が強い時はどう対策すればいいのか?と訊かれました。
どうやらアゲンストの時に、少しでも飛ばしたくて聞いたようです。
(以下、私は私。生は生徒さん)
生『先生は、アゲンストの時にどんな対策を取っているんですか?』
私『何もしませんよ。普段通りに打つだけです。』
生『へ? いや、だってよく言うじゃないですか。アゲンストの時にはティーを低くして、低い球を打って風の影響を避けるとかって。え?何もしないんですか?』
私『はい、特に何もしません。ティーを低く? それにはどんな意味があるかご存知ですか?』
生『えっと、それはやっぱりティーが低いと、球の打ち出しも低くなるからじゃないんですか?』
私『そうですね。では、なぜティーが低いと打ち出しが低くなるんでしょうね?』
生『・・・絶句!』
私『ティーが低いと、フェースのセンターより下に当たるでしょう?そうすると、慣性でフェースがややかぶり、ロフトが立ってくるのとスピン量が減るんです。だからアゲンストには低いティーと言われるんですよ。』
生『ははぁ!なるほど! でも先生はそれを知っていながら、なお普通通りに打つんですね?』
私『はい。打点のコントロールなんて難しいことに気を遣いたくありませんから。』
生『気を遣う? そんなに気を遣うことなんですか?』
私『はい、打点を少しずらすというのは、ものすごく気を遣う作業です。だから、アゲンストだからといって、ティーを低くしたりせず、『ただ単に飛ばない』とした方が楽なんですよ。』
生『でもティーを低くしたんだから、勝手に打点は変わるんじゃないんですかね?』
私『ロボットが振ればそうなるでしょうね。でもプレーするのは人間ですから、低くしたらしたで、無意識にセンターヒットしようとしてしまうんです。』
生『勝手にスウィートスポットで捉まえようとするんですか?』
私『はい、そうです。初心者の方でもこの傾向はありますよ。ましてある程度打てる方だと、低くしたティーに合わせようとする傾向は、より強くなります。』
生『ははぁ、そんなもんなんですね。じゃぁアゲンストの場合は飛ばないことを前提にコース戦略を組み立てるということですか?』
私『はい、その通りです。まぁもちろんいろんな球を打たないといけない場合もありますから、一概に飛距離を落とすだけでいいとは言えないですが、基本的には『ただ単に飛ばない』を頭においてプレーします』
生『いろんな球って、たとえばどんな場合がありますか?』
私『そうですね。たとえば横風が強くて左右が怖い時なんかですね。』
生『横風で左右が怖い?』
私『そうです。こんな場合、サイドスピンが多いと風に流されてOBになったりします。だからこんな時にはティーを低くしてトップ気味の球を打つんです先ほど言いましたが、トップ気味の球=フェースがかぶるインパクトで打つと、縦の回転も減りますし横の回転=サイドスピンも減らせます。』
生『難しそうですね?』
私『ね?打点のコントロールって難しいでしょう?(笑)』
生『なるほど!こういう風に聞くと良く分かりますね。確かに打点をコントロールするのって、とても難しい作業だって思います。』
私『そうなんですよ。だからアゲンストだからって、何とか距離を伸ばそうとして難しい作業をするのではなく、できるだけ平常通りに打てるようにする方が大切なんです。』
生『ミスを減らした方が、チョッとくらい飛距離を伸ばすより大事ってことですね?』
私『はい、その通りです。プロのトーナメントでもそうでしょう?風の強い日は、穏やかな日よりもスコアが伸びません。プロでさえそうなのに、アマチュアの皆さんが風の強い日に、いつも通りのスコアを出そうと考えても難しいんですよ。』
生『わかりました。でもやっぱり風に強い球って打ちたいですよ(笑)』
私『それはそうですね。だからなおのこと、難しいことをせずに普段通りの構えとスウィングを心がけた方がいいんです。結果として、変な細工をするより強い球になりますから』
生『そうなんですねぇ。』
私『ゴルフにはメンタルの要素が強いです。少しでもいつもと違うことをしようとすると、ストレスがかかり、上手くできなくなりがちです。いつも通りに構え、いつも通りのショットを打つ。これがメンタルを安定させ、いろいろと細工するよりいい球になります。』
生『わかりました。安定した球が打てるよう、細工をしないで頑張ってみます!』
アゲンストは飛ばないものだ。
そう理解していながら、現場に立つと『飛ばしてやろう!』となりがちです。
飛ばないものなんですから、要らない細工をせずに落ちる距離に合わせた番手選びをされる方が賢明です。
上でも述べた通り、メンタルはショットにてきめんに出ます。
細工をすると、そっちに神経が行ってしまい、本来のスウィングができなくなります。
どんな細工をした球よりも。本来のスウィングから放たれた球の方が力強く、また安定しているはずです。
皆さんも『アゲンストは単に飛ばないだけだ』と割り切って、素直にいつも通りのプレーを心がけてください。
きっといい結果がついてきますよ。
オーシャンゴルフアカデミーでは、皆さんが上達するお手伝いをさせて頂いております。
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