100を切りたい方のためのコース戦略

深田洋史

深田洋史

テーマ:100を切りたい方のために

100を切りたい方のためのコース戦略

平昌オリンピックに出ている選手やスタッフの皆さん、お疲れ様です。
メダルを獲れた方、あるいは逃された方。すべての選手とスタッフに敬意と尊敬を捧げます。
特に金メダル、しかも66年ぶりの五輪連覇を成し遂げられた羽生結弦選手。
本当におめでとうございます。

さて何故こんな話題から入ったか?と言いますと、先週の土曜日に生徒のAさんが友人のBさんを連れてこられ、この羽生選手を例えにするのにうってつけのお悩みをお持ちだったからです。
Aさんはすでに通われて3年。100はとっくに切っており、今は80台も時々出ます。
Bさんは、40代前半。ゴルフ歴は10年程度。レッスンは受けたことがないそうです。
スウィングチェックの後からの会話で、表題の『100を切りたい方のためのコース戦略』を示していきたいと思います。
(以下Aは生徒さん。Bは連れてこられた友人の方。私は私です。尚、ここに書くことは、Aさん・Bさんともに了承済みです。)

A『先生、B君は僕より飛ぶのに、中々100が切れんのですわ。』
私『ベストはどれくらいですか?』
B『101です。ほんま、もうチョッとのところまでは行くんですが、どうしても切れんのです。』
スウィングチェックの時に気づいていたことですが、このBさん、負けん気が強く、悪い言い方をすれば『猪突猛進』タイプの方です。
そこで私は簡単なコース図を描いて解説していきました。

私『ここに370ヤードのパー4があるとしましょう。』
B『はい。』
私『Bさんのドライバーの平均飛距離はおよそ200ヤードでしたね?』
これはシミュレーターでも確認できています。
『はい、だいたいそれくらいは飛びます。でも当たればもっと行きますけどね!』
ここにも負けん気の強さが出ています(笑)
『そうですね。でもこのホール、チョッと当たりが悪くて赤い線で示したところ、約180ヤードくらいしか飛ばなかったとしましょう。残りは190ヤード強。Bさんならどうしますか?』
B『そりゃ5番ウッドでグリーンを狙います。』
私『5番ウッドで乗せられる確率はどれくらいと考えていますか?』
Bさんう~~んと考えて、
『そうですねぇ・・・3割・・・くらいでしょうか?』
そうなんです。シミュレーターで計測した時にも、MAXの距離がまっすぐに打てるのは、せいぜい2割程度なんです。
私『Bさん、今日のオリンピック観られましたか?』
B『観ましたよ!フィギアでしょ? 羽生選手やりましたね!』
私『4回転ループを回避して、サルコウにした話も?』
B『はい、TVで観ました。基礎点は高いけど、失敗する可能性もあるループよりも、より完成度の高い、出来栄え点をもらえるサルコウにしたって言ってましたね。』
これを聞いて、私はしめしめと思いました(笑) それこそが私の言わんとしたことだったからです。
私『Bさんにとって、残り190ヤード強を5番ウッドで攻めるというのは、羽生選手がループを飛ぶようなものですよ。彼がサルコウを選んだように、Bさんも7番アイアンで打って、残り60ヤードをSWのフルショットにした方が確率が高いとは思われませんか?』
Bさん顔をしかめました(笑)
B『いやぁ、わかってはいるんですけどね。でもなんか逃げてるようで・・・』
私『では羽生選手は逃げたと思われますか?』
B『いや、それは思いません。勝つための選択を・・・』
そこまで言って、
はた!と自分で思い当たられたようです。
私『Bさん。逃げるのは恥ずかしいことではないですし、レイアップ、つまり刻むことは立派なコース戦略です。』
しかし彼の性格からすると、刻むのは難しいだろうと思い、新たな考え方を示しました。
私『この図でね、残りは200ヤードもないですよね?』
B『はい、だから狙いたくなるんですよね(苦笑)』
私『では、もしこれが200ヤードのパー4だとしたら?』
B『はい?』
何度もこの話を聞いているAさんは、次に出る言葉が分かっているのでニヤニヤしながらBさんを見ています。
私『残りの距離を、そのホールのパーと考えるんですよ。』
Bさん、顔じゅうが?マークです(笑)
A『B君、先生が言うてはるのは、よう言われるみたいに、単純な「3オン2パット』やのうて、もっと具体的にボギーを獲る方法ゆうか考え方やねん。ねぇ、先生?』
私『はい、おっしゃる通りです。単純に3オン2パットと言われても、Bさんの性格でそれは受け入れにくいと思うんですね。だから、ティーショットは無視してセカンドショットからを、数える癖をつければいいんです。』
B『ティーショットは無視するって・・・』
私『OBにさえならなければ、それでOK!と思うことです。そうすると、これだけ飛ばせばセカンドで何番を持ったら乗せられる!とか考えないでしょ?』
Bさん、何となくわかったような顔つきになってきました。
私『Bさんの飛距離で370ヤードは、ナイスショットが2回続かないと2オンできいない距離なんですね。だからティーショットで力んでしまう。そしてミスをしたら、次で取り返そう!として、さらなるドツボにはまっていく。その繰り返しが多いんじゃないですか?』
Bさん、大きく頷いて
『はい!多いです!』
いや、それを自慢されても・・・と思いながらAさんを見ると、Aさんも笑いをこらえるのに必死です(笑)

私『セカンド以降が、そのホールのパーだと思えば、たったの200ヤードです。この図の状態なら7番で打てば青い線で示したように、左バンカーまで届かないわけです。もし5番ウッドを選んだなら、緑の線で示したみたいにバンカーに捕まったり、右のラフからバンカー越えのアプローチが残ったりしやすいですね?』
B『はい、僕の確率から言ってそうなると思います。』
やけに自信満々です(笑)
私『先ほどシミュレーターで計測した通り、BさんのSWはフルショットで55~65ヤードです。なら7番で打って、SWのフルショットを残せば、少なくともグリーンに乗る確率はうんと上がります。違いますか?』
B『はい、それなら自信があります!』
私『羽生選手の選択は逃げではないとBさん自身もおっしゃいました。自分に自信のある技、この場合ならクラブの選択をすることは勝つために必要なことです。』
優勝当日のインタビューでは出ませんでしたが、後日、羽生選手自身が『どうしても勝ちたかった』と言っていました。
私『100を切るという目標のためには、自分の好みを捨ててでも選ばないといけないものがあると思います。羽生選手も、「いろんなものを捨ててこのオリンピックに臨みました。」と言っていたではないですか。Bさんも、攻めたい気持ちを抑えて『セカンドショット以降がこのホールのパーだ!』と考えてみてください。きっと結果はついてくると思いますから。』
A『B君、ほんまやで。僕も最初は逃げてるみたいに思えて抵抗あったけど、やってみたらほんまにいらん緊張がのぅなって100切れたし。』
私『そうですよ。もし心に抵抗感が生まれたら『逃げてるんじゃない!五輪二連覇の羽生選手に倣って、やってるんだ!』と考えてください。偉大なチャンピオンの真似をするのは恥ずかしくないし、何より自分を納得させやすいでしょう?』
B『わかりました。難しいけどやってみます。そっかぁ、偉大なチャンピオンの真似なぁ。うん、そらぁえぇなぁ。』
最後は自分で納得されていました(笑)
もちろん100を切る、90を切るには様々なやり方があります。
この方法が全てではありませんが、一つの有力な考え方であるとは思います。
特に、まだショットの精度が低い方にはお奨めです。

皆さんも悩まれたら一度オーシャンゴルフアカデミーをお訪ねになってみてください。
貴方に合った、パーソナルレッスンをさせて頂きますから(笑)

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

深田洋史プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

深田洋史
専門家

深田洋史(スポーツインストラクター)

Craftsman Golf Shop Ocean Club

あなたのゴルフはあなただけのもの   職人歴36年レッスンプロ歴15年の経験からあなただけの至高のクラブとレッスンを創らせて頂きますプロの目で診断し 職人の手でクラブを創ります

深田洋史プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

ゴルフレッスン&クラフトのプロ

深田洋史プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼