業界別、広告宣伝費と予算
一口に広告宣伝と言ってもさまざまな手法・種類があります。
広告宣伝を3つに大別する
日本の広告業界の最大手と言えば「電通」ですね。その電通が毎年発表しているものに「日本の広告費」があります。日本国内で1年間に使われた広告費の統計ですが、この「日本の広告費」は、さまざまな広告費を3つに大別しています。
一つは「マスコミ4媒体広告費」、もう一つは「インターネット広告費」、そして「プロモーションメディア広告費」の3つです。
「マスコミ4媒体広告費」の4媒体は新聞、雑誌、ラジオ、テレビをさします。
「インターネット広告費」とは、もちろんインターネットを介した広告です。
「プロモーションメディア広告費」は、屋外(看板等)、交通(電車、タクシー等の広告)、折込、チラシ、DMなどをさします。
「日本の広告費」によれば2017年における広告費の割合は、「マスコミ4媒体」43.7%、「インターネット」23.6%、「プロモーションメディア」32.7%となっており、ここ数年の傾向として、マスコミ4媒体とプロモーションメディアの比率が低下する一方、インターネット広告の比率が年々高まっている点を指摘しています。
マスコミ4媒体による広告
では、「日本の広告費」の区分に沿って、さまざまな手法、種類の広告の特徴を見てみましょう。
・新聞……日本新聞協会のデータでは発行部数が減少しています。2000年約5370万程度に対し
2017年は約4210万部。しかし、それでも約4210万という数字は「マスメディア」と呼ばれるに
値する数字です。インターネット(デジタル)への取り組みも進められています。
ある広告の出稿期間中に、その広告を「確かに見た、見たような気がする」という人の割合を
広告の到達率と言いますが、新聞広告の到達率は悪くありません。(20~50%度と言う人もい
ます)。
・雑誌……雑誌の発行部数は各雑誌によって大きな開きがありますが、発行部数は少なくとも専
門的な分野の雑誌に絞って広告を出した場合、高い到達率を見込むことができるという魅力が
あります。
・ラジオ……ラジオによる広告宣伝には比較的安価で1社専属提供も可能というメリットがあり
ます。ローカル局であってもその地方の人達にはよく知られているラジオ番組がありますし、
CM枠を確保できさばコスト以上の効果も期待できます。
・テレビ……キー局でのテレビCMの場合、視聴率を10%とすれば日本の人口1.2億×10%=
1200万人となり、計算上1200万人に広告を見てもらえる可能性があることになり、企業のイメ
ージアップ、企業(商品)の認知拡大を考えた場合、やはり大きな広告媒体です。
インターネットによる広告
インターネット広告は、インターネット上のウェブサイトやSNS(ソーシャルメディア)、アプリやメールなどを用いて配信する広告手法です。広告市場規模は毎年、拡大しています。
インターネット広告にはさまざまな手法がありますが「リスティング広告」もその一つです。検索エンジンでキーワードを入力して検索した際、その検索結果ページと連動して表示される広告のことです。
たとえば「ノートパソコン」とキーワードを入力すると検索結果にノートパソコンの広告が表示され、「エステ」と入力すればエステサロンの広告が表示されます。キーワードと関連した広告が出るわけですから、訴求力が高いというメリットがあります。
もちろん、Webサイト上に画像やFLASH(アニメーション)を用いる広告もあり、多彩な方法で広告することができます。
プロモーションメディアによる広告
プロモーションメディアについて見てみましょう。
従来からある新聞の折込みもその一つです。たとえば、主婦層を対象にしたスーパーの折込チラシの到達率は非常に高くなります。
折込の印刷代は大幅に下がっており、費用対効果を考えると魅力的な広告手法です。
DM(ダイレクトメール)も到達率の高さが魅力的な広告手法ですし、DMのデジタル版と言えるメルマガもプロモーションメディアです。メルマガの一番の魅力は低コストということです。郵便代がかかるDMとの大きな違いです。ただ、到達率という点では「モノ」であるDMが勝っていると言えるでしょう。
このほか、電車の中吊りなど交通機関の広告をあげることができます。他の媒体とくらべ接触時間が長いため、広告内容を深く浸透させることができるメリットがあります。
また、野立て看板や繁華街、オフィス街の屋上看板なども有力な広告手法です。伝えたい内容を絞ったシンプルな表記が特徴です。
大画面に動画を流す方法、小画面に文字情報を流す方法もよく見かけますね。
そのほか、お店のPOPも重要な宣伝ツールですし、ご当地グルメマップなどフリーペーパーも効果的な媒体です。