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健康的でおいしいナチュラルフードの魅力を広めていきたい

ナチュラルフードを使った野菜料理のプロ

藤村喜美子

藤村喜美子 ふじむらきみこ
藤村喜美子 ふじむらきみこ

#chapter1

一人一人の体質に合わせた野菜料理をマンツーマンでレッスン

 「ナチュラルフード」を知っていますか。野菜や果物、玄米といった食材のなかで、農薬を使わずに育てるものを指します。「人間の手で形を変えられたものではなく、自然な環境の中で育った食物のことなのです」

 須磨区で「ナチュラルフードクッキング教室」を運営する藤村喜美子さんは、そんなナチュラルフードならではのよさを生かした、おいしい野菜料理の作り方を教えています。「ナチュラルフードが体によいとされる理由は、野菜そのものの栄養素を最大限に生かすからです。腸内環境を整えることで、ウイルスに勝つ免疫力を高めて、健康的な生活を送ることができると考えられているのです」

 教室に足を運ぶのは、20代から70代まで幅広い年齢層の女性が中心。1回あたり2時間のレッスンを月に2~4回、受講者の希望に合わせて実施します。といっても、集団指導をするわけではありません。藤村さんは基本的に一対一でレクチャーしています。

 「体質や体調は人それぞれに違いますから、生徒さん一人一人に適した内容をお伝えしたいのです。私と二人なので、疑問などがあれば周りの方に遠慮することなく質問できますし、お悩みも相談しやすいでしょう」

 中でも人気なのは、フルーツ酵素づくりだそうです。「例えばレモンとイチゴを計500gと、その1.1倍の量、550gの上白糖(北海道のてん菜糖)を用意します。フルーツを丁寧に切り、ミルフィーユのように砂糖と交互に重ねていった後、乳酸菌を3g入れ、手で混ぜます。一週間ほど混ぜ続けると下に酵素液ができあがり、甘味・調味料として日々のメニューに利用できます。残ったイチゴやレモンはミキサーにかけて、そのままジャムにもできますよ」

#chapter2

ナチュラルフードの普及に努め、コーディネーター養成講座も開講

 藤村さんは大学在学中から料理学校に通い、料理研究家になることを目指していました。ただ、すぐにはその道へ進めず、結婚、子育てを経て留学生の生活を支援するボランティアやパソコン教室講師を経験します。

 「2012年7月に、日本創芸学院がナチュラルフード・コーディネーター養成講座を開設したことを知りました。野菜のパワーに興味を持っていのたですぐに受講し、その年の12月には資格を取得しました」
以来、公民館やレンタルキッチンスペースを借りて、ナチュラルフードを扱う料理教室を開催してきました。

 「2014年には、豊かな人生を送るヒントを食の視点からつづった『咲きゆく時間(とき)』(文芸社出版)というエッセーを出しました。日々の生活をもとにナチュラルフードの魅力やフルーツ酵素の作り方を紹介するとともに、素材の持ち味を引き出し、無駄なくいただくことの大切さなどを書いています」

 料理研究家として順調に歩んできた藤村さんですが、「教室を開く場所には苦労しましたね。使いたいときに先約が入っていて場所が決まらず途方に暮れたこともありました」と振り返ります。活動を充実させるために、2017年にキッチンが広い現在の家に引っ越し、自宅教室をオープンしました。「日々新しい料理を追求するのが楽しくて、この仕事は私にとって天職だと思います」

 ナチュラルフードの普及に長年にわたり尽力する姿勢が評価され、2020年からは日本創芸学院認定のもと、自身の教室でナチュラルフード・コーディネーター養成講座を受け持つようになりました。

藤村喜美子 ふじむらきみこ

#chapter3

持続可能な消費と生産、健康的な生活の確保などSDGsに取り組む料理教室を目指して

 藤村さんはいま、SDGs(持続可能な開発目標)を推進しています。SDGsとは、2015年に国連の全加盟国が賛同した、2030年までに達成すべき17の目標で、貧困、格差、教育、環境など、その内容は多岐にわたります。

 フルーツ酵素を作る際に使用した材料をジャムに加工することで、SDGsの「持続可能な消費と生産」をはじめ、「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」といった課題解決に寄与していきたいと言います。

 「野菜の芯は食べずに捨ててしまう方が多いでしょう。もったいないですし、捨てるにしても重たく、かさばります。私はベジブロスという調理法を用いて、くたくたになるまで煮てエキスをとり、そのスープを教室で使っています。食材をあますことなく活用できますし、ごみも減らせます」

 藤村さんには今後、取り組んでいきたいことが二つあります。まず、ナチュラルフードに関心がある人に向け、ビデオ通話のアプリケーションを通してレッスンを行うことです。「従来、須磨までお越しいただける方が対象となっていましたが、オンラインツールがあれば、どこにお住まいであっても参加してもらうことができます。健康を気遣う方は全国にたくさんいるはずですから、みなさんの力になりたいと考えています」

 もう一つは、セミナーや講演で情報発信することです。「ナチュラルフードを通して、これまで多くの気づきや、学びがありました。私が得てきたものを還元する場を広げ、すてきな出会いをつむいでいきたいですね」

(取材年月:2022年3月)

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藤村喜美子

ナチュラルフードを使った野菜料理のプロ

藤村喜美子プロ

料理研究家

ナチュラルフードクッキング教室

ナチュラルフードを使った健康的でおいしい野菜料理の作り方を日々研究しています。SDGsに取り組む料理教室として、皆さまの体質にあった「野菜料理」を学んで頂くために、レッスンは基本一対一で行います。

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