薬学部のすゝめ①
毎年、3月後半になると医師国家試験、歯科医師国家試験の結果と同様に薬剤師国家試験の結果がでます。令和5年の薬剤師国家試験は第108回となります。全体の合格率の他に大学ごとの合格率が公表されます。
今は6年制の薬学部の卒業生にしか薬剤師国家試験の受験資格は与えられませんが、旧4年制の時代に薬学部を卒業した人は今でも受験資格があります。そして薬剤師国家試験は回数の上限がなく何回でも受ける事が出来ます。
新卒生の合格率を見ると国立>公立>私立をいう傾向が見れます。また私立大学の中でも、概ね入学時の偏差値の高い大学が合格率も高くなる傾向があります。
これは、地頭の良さ・暗記力の良さ・勤勉さなどが入学時の偏差値と国家試験の合格率の両方に表れていると思います。大学ごとの国家試験対策の熱量の違いなどももちろんありますが、それが大きく影響しているとは思えないです。あるとすれば国公立大学の場合に思ったほど、私立大学との間に差がないという点だけでしょうか。
薬剤師国家試験は当然ですが、出身大学に関係なく同じ問題、同じ合格基準です。基本的には個人の実力のみが反映される試験ですので、国家試験の合格率で大学を選択する必要はありません。
国家試験の合格率を非常に気にしている大学関係者には申し訳ないのですが、国家試験の合格率で大学を選んではいけない重要な点が2つあります。
①そもそも合格率を上げるために大学が行っている努力がセコイ。
合格率を上げるために、一番手っ取り早い手段を簡単に利用します。
つまり受からない学生に国家試験を受けさせない=卒業させない・進級させない
ストレート卒業率(6年で卒業できる割合)が低いにも関わらず国家試験の合格率が高く出ている大学は要注意です。必要以上に留年するリスクが高いので、むしろ避けるべき大学です。
最近はこのようなカラクリも問題になってきているので、ストレート卒業率・ストレート合格率もデータとして見れるようになっています。
1回留年するのと1回国試に落ちるのとは同じではありません。
間違いなく1回留年する方が負担が大きいです。
(続きます)