医学部と薬学部 進路決定について
薬学部に限った話ではないのですが、免許が必要とされる医療系職種において入学時の偏差値のアドバンテージ・ディスアドバンテージはほとんどなくなると思います。
私立の医学部であれば、偏差値と学費が逆相関するとか、薬学部から製薬企業に就職する際には出身大学が影響するとかで、偏差値の高い大学の方が良いケースもありますが、免許を取得して医療職で就職する場合には出身大学ではなく資格の方が大きく影響します。
第三者的な視線で医療系大学の受験状況とその後の進路を見ると、比較的偏差値の高い層にとっては、思ったほど有利ではなかったとなり、比較的偏差値の低い層では思ってたよりもおいしかったと言えます。
今、狙い目は新設の私立薬学部です。
20年前であれば薬学部に進学するのを諦めていた受験者層が、現在では進学できる状況にあります。これは4年制から6年制に移行するタイミングで新設され定員が増えた事とそれらの薬学部の偏差値が軒並み45未満であり、地方ではボーダーフリーの薬学部もあり間口がかなり拡がっているからです。ただし、薬剤師の供給が過多になりつつあるので、今年、入学定員が制限される方針が示されました。
なので、今がチャンスだと思っています。
例えば文系からでも目指す事が出来ます。偏差値40未満からでも目指せます。
文系・理科は基礎科目だけ・数学苦手・偏差値40未満などの状態からでも正しく勉強すれば、合格できます。
さらに医療現場で働く事を目的にしている6年制薬学部では、化学・物理・数学に関して高校での履修レベルを大きく超えて要求される事はありません。
有機化学・無機化学・物理全般・数学の大部分が必要とされる場面は限られます。
(ここは30年前とは大きく変わりました。)
代りに要求されるスキルとしては、コツコツ暗記する真面目さ・コミニケーションスキル・倫理観です。
これらを考えると、文系でコミニケーションスキルが高い(或いは高める気がある)受験生には薬学部が向いています。
卒業まで6年間かかりますし、国家試験にも合格しないといけないですが、薬剤師免許は一回取得すれば更新もなく一生使えます。
職業に直結するような文系の資格に比べて、薬剤師国家試験自体の合格率は高いです。
文系から低い偏差値の薬学部に入学すると、入学後に留年するとか国家試験に合格できないという心配をされる方もおられますが、大学でまじめに取り組む気があれば問題ありませんし、そこをサポートする予備校も存在します。
※今回お薦めするのは、あくまで薬剤師免許を取得して、薬局・病院・ドラッグストアなどで働く場合に限定します。薬学研究者になりたいとか製薬会社で研究・開発・営業として働きたいという方は対象ではありません。