薬学部のすゝめ①
太鼓の乱れ打ちといれば、かつてプロレスラーの長州力やアニマル浜口が複数人で相手選手の前屈みになった背中を上から叩きまくるという技の名称でしたが、現在では大学受験や就職活動において、手あたり次第に受験しまくるという事を言います。
受験のし易さからか私立文系学部学科を複数受験する場合や反対に合格の難しさと受験日程の重複の少なさから私立医学部を受験する場合によく聞きます。
当塾の塾生にも乱れ打ち受験する人がいますが、教師、予備校講師などの多くの教育関係は概ね、この乱れ打ちには反対する人が多いのではないでしょうか。
何校以上が乱れ打ちかの定義は恐らくないでしょうが、ここではそこしか受からなければ、その学校に進学する前提で受験日程上、受けれるだけ受ける場合、或いはそれに近い場合を「乱れ打ち受験」とします。
この定義で考えると、15校~25校位受けないと乱れ打ち受験とは言えない気もします。
この乱れ打ち受験に否定的な関係者の意見は大きく2つあります。
①過去問対策などが十分にできないので、本当に行きたい学校に絞って過去問を演習し傾向を把握する事。
②連日の受験では疲れもでるので4日以上の連続受験などはポテンシャルが落ちるので効果的にでない。
③受験料がもったいない。
こもれび理数塾では乱れ打ち受験を推奨しています。
①大学入学後の試験ならばいざ知らず、そもそも過去問がそのまま入試に出る事はまずないので、対策と言っても大問数や時間配分などのシュミレーションにとどめ、出題履歴や頻度などは赤本編集者になってから考えればよい。
②何番目の受験校、何日目の受験校で疲れが出るか分かりません。
とりあえず出願して、疲れすぎたら入試会場で寝ればいいです。
出願して受けなければ合格しません。
③(1年浪人する費用+定年直前の1年分の年収)と(受験料)を比較して、受験料の方が高ければ乱れ打ちはやめましょう。
④単純に合格確率が上がります。(これが一番の理由です。)
例えば合格する可能性が15%(模試だとE判定)の学校を1校受けると、合格する可能性は当然15%ですが、合格率15%の学校を複数受ける場合は下記の様になります。
2校受けて、少なくとも1校合格する可能性は28%
5校受けて、少なくとも1校合格する可能性は56%
・・・・ずっと続けて
20校受けて、少なくとも1校合格する可能性は96%
E判定でも15%の確率が96%まで上がります。しかもするのは受験校を増やすだけ。
E判定では、A・B判定よりも受験校数により最終的な合格確率が大きく影響します。
A判定1校で80%よりもE判定20校の方が合格確率は上がります。
↑は理系の学生なら当然に計算できる単純な確率です。
※計算方法
全て落ちる確率は0.85x0.85x・・・・x0.85 = 0.03875953 つまり3.88%
これ以外はどこか1つには合格するので100-3.88=96.12%
問題集の問題なら苦労せずに解けるにもかかわらず、自身の受験で実践する人は少数派です。
高校で習う確率をテストの点数にだけ活かすのではなく、受験そのものや人生の選択において活かして欲しいところです。
「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」という諺は否定的に使われる事が多く、下手さを嘲笑する際に使われますが、上記の様な数値で示す根拠をもってできた諺だったのなら、受験弱者を勇気づける肯定的な諺になります。
もちろん、A判定B判定が出るように実力を付ける事が一番有効な手段ですが、それでも判定が良くない場合や受験弱者でも戦い方があります。