今、ネパールが熱い(1)
先週は岸田首相の「人道上、国益上の観点から必要な対応を行いつつ・・・」の言葉に大きな期待を込め、留学生の早期入国再開を願うコラムを投稿しました。
しかしながら開かれた門は国費留学生87名の例外的入国のみでした。
実は全留学生のうち、国費留学生はごくごく一部。
ほとんどが自らお金を用意し、学費を払って日本にやってくる私費留学生なのです。
現在、日本入国を待ち望む留学生がどれだけの数になっているかというと、
国費留学生(大学等) 約960人
私費留学生(大学、高校、日本語教育機関等) 約14.6万人
「人道上、国益上の観点」から入国を認められた87名がどれだけ少ないか容易に理解できると思います。
「緊急性など個別の状況を勘案しながら、順次検討していく」とのことですが、
実は昨年も国費留学生は例外的に入国できているので、水際対策は事実上、緩和はほぼなく、オミクロン株の急速な感染拡大が進む中、厳しい水際対策が継続されることになるのではないかと思います。
先進国の中で留学生の入国を認めていないのは日本だけといいます。
留学生は日本で学び、暮らすことで、日本にとって大切な知日派、親日派となります。
勉強が終われば、就労ビザに変更し、様々な分野で日本の産業界を支え、地域社会を支える一員となります。
2019年4月期以降、来日困難な状況が続いています。
これ以上続けば、そして来日できない人数がこれ以上増えれば、貴重な人財が日本から離れていくことになります。
事実、海外で日本を目指して日本語を勉強していた学生たちは留学先を隣国韓国や欧米諸国に変更する動きが加速しています。
コロナ対策強化と水際対策の緩和は相反することのようにも感じますが、グローバル社会、多文化共生社会の実現が遠のくことのないよう、世界標準の正しい科学的知見に基づいた水際対策の見直し、緩和を進めていただきたいと切に願います。