菊池玄プロのご紹介
材料選びから販売方法まで、街で見かける数々の食品をプロデュース(1/3)
素材やレシピを考え、商品の風味や食感、コスト、日持ちもコントロール
食品関連の企業が新商品の開発や既存商品の改良を行うにあたり、原材料選びからレシピの作成、販路開拓までプロデュースしている「食品研究開発所」。
代表の菊池玄さんは「今まで技術提供した商品は市販されているため、皆さんも口にしたことがあるかもしれません。素材の風味や食感、コスト、日持ちなどをコントロールするのが私の仕事です」と話します。
例えば、ファストフード店の人気メニュー・餅入りパイも手掛けたうちの一つ。“本物”の餅を使うと製造時に切断するのが難しく、焼き上げる際に膨らみ過ぎて形が崩れ、時間がたつと硬くなって食べられなくなるという課題がありました。
「しかも季節限定品につき、短期間で大量生産できることも必須でした。スピーディーに市場に出すため、モチモチとした食感や程よい伸びはそのままに、原材料や作り方を変え、扱いやすい代用の餅を作り出しました」
ほかに、フルーツゼリーの開発も。家庭で一般的に使われる寒天は透明度が低く、ゼラチンは常温で溶けてしまうのが難点でした。菊池さんは、微生物代謝由来の多糖類であるキサンタンガムなどのゲル化剤をブレンドして凝固。中の果物がよく見えるように工夫すると共に、常温での保存もかなえ、口に入れると体温で溶けるようなゼリーを完成させました。
「甘味料や保存料、着色料といった食品添加物の効果的な使い方も得意としています。添加物はよく悪者扱いされますが、食品ロスの低減、安心・安全の担保や私たちがおいしさを感じるために重要な役割を担っています。こうした事実を伝えることも私に与えられた大切な使命でしょうね」
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