38【住宅購入】動画35分「はじめての家の買い方実例 後半」不動産に詳しいFPがフルサポート
■家をタダで手に入れる方法
「家は買うもの」とは限りません。家が欲しい、家の負担を抑えたい、という時はいろいろなことを試すチャンスです。せっかくの機会ですのでご家族で考えてみましょう。
まずは税金や諸費用などは考慮せずカンタンなイメージでOKです。
代表的な4つの方法
1.ひきつぐ
2.もらう
3.借りる
4.買う
順番に見ていきましょう。
1.ひきつぐ
相続です。ライフスタイルと合う家が相続できれば良いですがマッチするとは限りません。地方はもとより郊外のニュータウンでも「子供が引き継ぎたくない家」が増えています。自分が家を買う時、そうならない物件を選ぶこともポイントですね。
2.もらう
贈与です。相続と似ていますが相手が生きている場合です。
「親が家をくれた」「通りすがりの人が家をくれた」なんていうケースです。
社会問題になりつつある「空き家」ももらえる時代がくるかもしれません。
3.借りる
「親の家に無料で住ませてもらう」ケースがイメージしやすいでしょう。
ほかに過疎地域では民家をタダ同然で貸出たり、その地域に住めば何年か自宅費用を補助する制度があったりします。ちなみに、田んぼも無料で借りれます。田んぼは放置しておくと周囲に草が生え、虫がつきます。近隣の他人の田んぼにその被害を拡げないように草刈りが必要になりますが高齢者にとっては重労働です。売ろうにも税金などの諸事情で売りづらく買い手もなかなか見つかりません。そこでタダでもいいから管理してもらいたい、というわけです。
4.買う
さて、本題です。タダで買うとは“実質”タダで手に入れるということです。
家を買う際、いったんは検討していただきたいと思います。
①自己資金が充分な方
単純です。自己資金で投資不動産を買い、自宅はフルローンで買います。
例)1,000万円、10%の投資不動産を買うと年間の家賃は100万円。
毎月の家賃にすると83,000円です。
一方、住宅ローン3,000万円、35年、1%の返済額は84,685円。
このくらいのバランスだとほぼ賄えますね。
現金で買う投資物件の選び方はここでは省きますが、場所はどこでもかまいません。自宅の近所でもいいですし、老後に暮らしたい場所もいいでしょう。戸建てでもマンションでもかまいません。東京や大阪以外で検索していただくと「不動産がこんなに安いのか」とビックリされると思います。
②自己資金が少ない方
A.併用住宅、2世帯住宅を買う
併用住宅というのは店舗や賃貸用部分が自宅建物と一体になっているものです。2階建ての戸建てで1階は賃貸部分、2階は自宅部分、みたいな感じです。実は住宅ローンで購入可能です。住宅ローンの条件がどんどん拡大解釈されて建物の延べ面積半分より多くを自宅にすれば建物を一つのものとして住宅ローンを組めるようになってきました。
親世帯と住む、子供が独立した時に住む、夫婦ゲンカした時に使う、友人が泊まりに来た時に使う、いろいろ使えます。法対応は必要ですが民泊なんかも考えられます。
値段は通常の戸建てより高めになりますが、賃貸部分で自宅部分のローンを賄えれば実質タダとなります。自己資金がある方はこれも同時に考えられますのでプラスアルファが出せるかもしれません。数は少ないですが中古でも流通しています。
B.後で買う
数年前でしたら住宅ローンを余分に借りて地方のワンルームマンションを買うなんてことが横行していました。しかし、スルガ銀行問題の影響もあり今はとても厳しくなっています。とは言え、現在の住宅ローンが超低金利・超長期のボーナス商品であることに変わりはありません。住宅ローンはできるだけ多く・できるだけ長く組み、繰り上げ返済は慎重に考えましょう。お金は借りる時は大変ですが返す時はアッサリしてますし、返した後に「ヤッパさっきのナシ」、というわけにもいきません。
その住宅ローンで自宅を買い、例えば10年間で500万円貯めます。これで投資不動産を買います。Aだと戸建てを買う方対象でしたがこれだとマンション購入の方も可能です。10%の利回りだとすると年間50万円。これでローンが実質減額されたと考えてもいいですし、教育費に充てても、次の投資資金に充ててもかまいません。
パート勤務の多くの人が年間100万円程度の収入だと考えると魅力的ですね。
10年でちょうど住宅ローン控除もなくなりますので、税制面でそれに代わるものとしても適していると思います。
上記4の場合はフツーに不動産投資ということになりますので各種メリットが発生します。
所得が増えるかも、生命保険が減らせるかも、老後に役立つかも、配偶者や子供に資産を残せるかも、給料から支払った所得税を取り戻せるかも、住民税が安くなるかも、子供の学校の助成金が受けられるようになるかも、奨学金が借りられるようになるかも・・・。
同時にデメリット・リスクも発生します。手間・税金・空室・修繕・事故・災害・・・。
きちんと理解して取り組むと余裕のある人生に変わるでしょう。
家を買うときは資産形成の大きなチャンスであり、今の住宅ローンはラッキーなギフトです。超低金利でフルローンが可能ですし木造や中古物件でも35年の超長期の借入ができます。
せっかくの幸運です。「金利が安いからオプションいっぱいつけましょう」「たくさん借りれるから広く豪華にしましょう」などと言う不動産業者に差し出すのではなく、自分で有意義にフル活用しましょう。