自然素材を取り入れた住まいづくりで、心豊かで快適な暮らしを提案（3/3）

空き家物件にも目を向け、所有者の思いを尊重しながら活用を目指す

　杉山さんは、少子高齢化などを背景に、地域で増えつつある空き家物件の活用にも力を入れ、無料相談会を開いています。
　「私個人の意見ですが、住居としてまだ使えるのに処分するのはもったいない。できるだけ生かしていきたいのですが、所有しているオーナーさまのお考えを尊重することを大事にしています。住む予定がない、後継者がいないなど、それぞれに事情もおありですから」

　築年数を経た古い家には、長きにわたって歴史を刻んだ重厚なたたずまいがあります。しっくりと落ち着いた趣を残しながら新たな命を吹き込み、次の世代に引き継いでいくことも視野に入れます。
　「昔の日本家屋は、田の字のように各部屋がつながり大開口を実現できます。一方で、ふすまなどで仕切られ、暑さや寒さへの対策が不十分でもあります。リビングや寝室など、使用頻度が高い居室だけ冷暖房が効くように壁を作り、断熱材を入れる方法なら費用を抑えられますので、若い方にも興味を持ってほしいですね」

　日々、仕事に励む中で特にうれしい瞬間は、「久しぶりにお会いしたお客さまと笑顔で話す時」だとか。
　「住んでいるうちに、何かしら気になる点が出てくるものですが、真っ先に不満を訴えられるのではなく、笑顔を見せていただくと『満足してくださっているのだな』とほっとします」

　これまで数多くの案件に取り組んできた杉山さん。「新旧問わず、家に関するどんなささいなことでも遠慮なくお問い合わせください」と呼び掛けます。

（取材年月：2023年7月）

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⇒建物の構造や省エネ性能、耐震性を高める設計に精通