平成最後の新年の挨拶は・・・文例付き

川邊暁美

川邊暁美

テーマ:心に響くスピーチの極意

平成最後の年明けということで、新年にあたっての気持ちもぐっと引き締まる気が致しますね。

年始の挨拶は、平成という時代を自分なりに振り返りつつ、来るべき新しい時代に希望や決意を託す、
そういう思いを込めたものにしたいものです。

「平成」という元号は、『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」、『書経(偽古文尚書)』大禹謨の「地平天成(地平かに天成る)」からで「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味である、とされています。

そのことを踏まえつつ、
30年間の出来事からピックアップして、自分のかかわる組織や自分自身の転機となったこと、思い出深いことなどを述べてもいいでしょう。

そこにお集りの皆さんとの共感ゾーン、共通体験などを意識して話題を選ぶようにしてください。

たとえば、神戸・阪神間では、阪神淡路大震災からの復興などを入れるなど、ですが、
暗い、辛い、苦労した・・・というトーンではなく、
それを乗り越えた後に見えたもの、つかんだものなどを中心に話をすると明るく前向きな印象になります。

(例)「様々なことがありましたが、それを乗り越えたときに<絆>の大切さ、地に足をつけて誠実に仕事をしていくことで道が拓けることを実感致しました。ここにいらっしゃる皆様方の励ましや支えが今も、心に残っています」


そのうえで、「亥年(猪)」に因んだ話を少し入れて、締めくくれば、新年にふさわしいスピーチとなります。

(例)
「猪というと、<猪突猛進>など勢いのある子言葉が浮かびますが、皆様、<猪の目(いのめ)>
という文様(もんよう)をご存知でしょうか?
 神社仏閣や城郭建築などに用いられているハート型のデザインです。
 猪の目に似ている、あるいは、<亥>の文字をデザインしたものと言われ、
 古くから、魔よけ、厄除けの意味があるそうです。
  猪突猛進も大切ですが、私は、ハート、すなわち、<心>や<思いやり><愛>、
 それを忘れないように、心掛けていきたいと思います」

このコラムでは毎年、新年のスピーチの文例を声や話し方のアドバイス付きでご紹介しています。
過去のコラムもぜひご覧ください。

【2018新年の挨拶(スピーチ)】これでバッチリ!文例&心に響くポイント解説つき https://mbp-japan.com/hyogo/canon/column/2863171/

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川邊暁美
専門家

川邊暁美(アナウンサー)

言の葉OFFICE かのん

NHKニュースキャスターのキャリアがあるから、明瞭で説得力のある声の使い方、話の構成、言葉の選び方など「伝わる声と話し方」をトータルで指導することができます。原稿のブラッシュアップもサポート致します。

川邊暁美プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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