日本初の幼児向け絵雑誌『こども』

辻村豊

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テーマ:日々雑感

皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

明日は『こどもの日』ですが、それにちなんで、明治期に曽祖父が発行した日本初の幼児向け絵雑誌『こども』をご紹介致します。

没落武士が…

私の先祖は江戸時代に大阪の堺で与力という下級武士をやっていました。
明治維新ではご多分に漏れず完全に没落しました。
曽祖父は小学校を4年間で切り上げ、新聞社で活字拾いをしながら字を覚えたらしいです。
その後、上京して絵の修行を経て新聞の挿絵を担当したり、新聞記者にもなったようです。
幼児教育にも興味があったのか?『こどもデー』を企画したり、幼稚園の園長もやっていたこともあります。
ちなみに曽祖父には子供はおらず、祖父は養子であったと聞いております。

『昭和9.6幼稚園経営を室町クラブに移し、クラブ委員辻村又男を園長に推して、11年~15年東園舎を新築する。』
(室町および室町幼稚園の沿革)
http://www.muromachi.ed.jp/history/index.php#HISTORY1

日本初の幼児向け絵雑誌『こども』

そんな曽祖父の活動の一環だったのでしょうか?日本初の幼児向け絵雑誌『こども』を発刊しました。下記はその一部です。



子ども本位

浮世絵や日本画を学んだ曽祖父は挿絵画家でもありました。『こども』の挿絵は全て曽祖父によるものです。創刊当初からカラーでした。
元大阪人間科学大学教授の村川京子先生によると、曽祖父は大阪、京都、神戸にあった、当時はまだまだ必要性が理解されていなかった幼稚園で取材をし、実際の幼児の姿を知った上で挿絵を描いたようです。その中で絵本は子どもの『おどもだち』であり、子どもたちや保護者、保育者が楽しんで繰り返し読む絵本を作ろうとしたみたいです。しかも、勉強やしつけのための絵本ではなく、『子どもが自ら楽しむために絵本というものはあるべきだ』という考えだったようです。
そして、曽祖父は、子どもは『国民の後継者であり、社会全体で子どものことを“子ども本位”に考えなければならない』と、語っていたようです。

最先端の広告が掲載されていた

この絵雑誌『こども』ですが、特徴として広告を載せていたことです。しかもカラーです。その広告ですが、現在でも皆が知っているような有名企業もあります。以前、その有名企業で社史調査を担当している人と話をしたことがあります。
そこの会社でも明治期の広告は把握していたものの、カラー版は見たことがなかったそうです。
おそらく、曽祖父は挿絵画家でしたので、絵は自ら描き、新聞社の人脈で、印刷業者とも密接であったため、安上がりでカラー印刷にも挑戦できたのでしょう。そして、最先端の広告を載せることで、少しでも高い広告費を得て、運営費を稼ごうとしていたのでは?と思います。
そんな創刊号から第12号までの広告については、抜き出して下記に入れてあります。
絵雑誌『こども』の広告(創刊号~第12号)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/45/69f7d6116fb9545.pdf
この広告についても、上記、村川先生によると、『この絵雑誌は様々な試みを行っており、その中の一つに毎号裏表紙に広告を掲載したことである』『日本最初の幼児、小学校低学年対象の彩色雑誌に、当時まだ珍しかった広告を毎号欠かさず掲載したこと、それも子どもを対象とした絵が主体の彩色の広告が出現したことは絵本・絵雑誌の史的研究の上から見逃す事が出来ない』と指摘しています。

(絵雑誌「こども」の広告)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/44/69f74df1c3b0a44.pdf
てなことでしたが、創刊号から第12号までの全体像は下記にございますので、もしよろしければ眺めていただければ幸いに存じます。
(こども(創刊号~第12号))
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/43/69f74c7db1eb343.pdf
あるいは、下記動画でもご覧いただけます。

また、広告についても61枚、動画にてご覧いただけます。

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辻村豊
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辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

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