REITはローリスク?
お客さまにお伝えしたいこと
- 外貨建て資産の為替変動による影響を回避する方法として為替ヘッジがあるが、対象通貨の金利差によるコストがあり、意外なマイナスとなる可能性がある。
- 円高に備えた円建て資産と円安に備えた外貨建て資産を資産配分で分けて管理することが、意図しないリスクを発生させない観点からも望ましい
外貨建て資産を運用する際に気になるのは為替レートです。ドル円の為替レートの推移を見てみると2024年は140円台から7月には160円台まで円安が進み、そこから9月にかけて一気に140円台まで円高となり、その後は再び150円台まで円安となるなど、1年間で20円を超える幅で動いています。
また、1日の高値と安値との値幅が4円を超える日もあって、値動きが激しくなっています。
また、ドル円の年間の推移を1989円から2023年まで見た場合、その値幅は最も小さい年で2019年の7円程度、最も大きい年では2022年の36円程度となり、前年末の水準に対して毎年10~30%程度変動しています。
このような為替レートの動きを見ると外貨建て資産の為替部分の変動を抑制したいと考えるのは自然かと思います。
その際に利用されるのが「為替ヘッジ」です。
為替ヘッジとは、円高・円安などの為替変動による円ベースでの損益を回避する方法です。 ヘッジ(hedge)は直訳すると「避ける」ですが、リスクを回避・軽減するという意味で使われます。 為替ヘッジを行うためには将来交換する為替レートをあらかじめ予約する取引を行います。
正に為替変動を軽減できるので、為替ヘッジは運用手段として優れていると思ってしまうのですが、注意すべきポイントがあります。
それが為替ヘッジコストです。
為替ヘッジをする場合、将来の為替を予約しますが、その際に必要となるコストです。
主に対象通貨の金利差部分となり、例えば、日本の投資家が米ドルの為替ヘッジを行なう場合、日本円は米ドルよりも短期金利が低いので、米ドルと円の金利差が為替ヘッジコストとなります。
ドル円の為替ヘッジコストの推移を見てみると、時期によって水準に大きな違いがありますが、2024年は▲5-6%で推移しています。この時期にドル円の為替ヘッジを行うと年率▲5-6%のマイナスが生じるということです。
このように為替ヘッジには、お客さまにとって為替変動による損益を軽減できたと思っていても、対象通貨の金利動向によって、意外なマイナスが発生する可能性があります。
為替ヘッジコストは時期によって変動するので、外貨建て資産を恒常的に為替ヘッジするのはお勧めしていません。
円高に備えた円建て資産と円安に備えた外貨建て資産を資産配分で分けて管理することが、
意図しないリスクを発生させない観点からも望ましいと考えます。
【関連動画】為替ヘッジの落とし穴とは ~2025年は円高!? 意外なマイナスの可能性~



