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お客さまにお伝えしたいこと
- これまで投資判断で重要だったのは、企業決算の予測に役立つ「早耳情報」であった。
- 但し、2018年「フェア・ディスクロージャー・ルール」導入で「早耳情報」に頼った投資判断が出来なくなった。
- これからは「目に見える」企業決算の情報だけでは無く、企業との対話などからの「目には見えない」情報を活用した幅広い長期的な視点からの分析が重要となる。
アクティブ運用では、個別企業に対する調査や分析を基にファンドマネージャーが投資判断をして組み入れる銘柄を決定していますが、どのような視点で行っているのかについてお伝えしたいと思います。
株価には様々な情報が反映しますが、これまでは企業に関連する情報をいち早く入手することが重要なことから、企業の決算を「当てにいく」ことが投資家にとって長らく重要な投資判断の視点となっていました。
この情報は「早耳情報」と呼ばれて、マスコミでも観測記事が報道されたりしています。これまでは証券会社のアナリストや運用会社のファンドマネージャーも企業への取材を通じて、「早耳情報」を必死になって探していました。
但し、このような行動は短期的な「早いもの勝ち」の投資行動につながり、企業と密接につながっているアナリストと一般投資家との間で情報伝達の公平性が問題視されるようになりました。
そこで、金融庁は2018年に上場企業に対して公平な情報開示を義務づける「フェア・ディスクロージャー・ルール」を導入して、これまでのような「早耳情報」に頼った投資判断が出来なくなっています。
「早耳情報」に頼れなくなった場合に重要になるのは、毎年の決算では無く企業の将来について示唆を与える情報となります。業界全体に対する産業動向や将来性など幅広い視点での分析と共に、企業活動の土台となる目には見えない情報が大事な役割を果たします。
企業の決算情報などの「目に見える情報」に対して「目に見えない情報」には企業の考え方や取り組み姿勢などがあります。
社会問題や環境など企業が持続的に活動するための課題に対する取り組みを考慮して投資先の企業を選ぶ方法です。
このような取り組みは、木の根から栄養を取り込んで時間をかけて木の幹や葉の成長につながるように、地道な企業経営者との対話や提案などを重ねていくことで将来の企業活動に反映させていくので、これまでのような「早耳情報」に頼った短期的な視点では無い、長期的な視点による投資判断が必要です。
今後はこのような視点が欠けた運用は、市場並みの投資判断しか出来なくなるので、苦戦すると思われます。
これからのアクティブ運用では、従来のような企業の決算を「当てにいく」ような短期的な視点では無く、業界全体や「目に見えない情報」を考慮に入れた幅広い長期的な視点での投資判断が不可欠です。
ファンドマネージャーとアナリストなどアクティブ運用にかかわるチームで協力しながら、数多くの企業との対話を幾度となく重ね、従来の調査・分析と組み合わせて銘柄を選定しています。
そのため、一人の個人では情報の入手経路と企業と対話する機会に限りがあるので、運用で成果を上げ続けるのはハードルが高いと思います。長期的な視点の運用哲学を持つリサーチ体制が充実した運用機関を活用することをお勧めします。
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