毎月分配型に対する誤解とは
お客さまにお伝えしたいこと
- 個人投資家に人気のあるブルベア型には落とし穴がある
- 毎日の値動きに対して目標倍率に連動する仕組みは2日以上離れると目標通りにはならない
- ブルベア型は長期保有には適していない商品
ブルベア型の人気は高く市場平均より大きく値上がりするチャンスもあって、リスクを好む投資家を中心に良く利用されています。
投信協会のデータによるとブルベア型に分類されるファンドの純資産総額は2022年末で約5千億円、設定・解約金額は年間で約3.5兆円と活発に売買されています。
ブルベア型の仕組みは非常にシンプルで、毎日の値動きが、株式指数などの一定の指数に対して、あらかじめ決められた倍率の値動きになることを目指すファンドです。
そのため、短期間で高いリターンを狙えることに加えて、ベアファンドでは下落局面でもリターンを狙うことが出来ます。但し、ファンドの仕組みをきちんと理解していないと、「落とし穴」がありますので注意が必要です。
まず、知っておいてもらいたいことは毎日の値動きが目標となる倍率を目指して運用することは、2日以上離れた期間では目標通りとならないことです。
例として、株式市場が基準日から上昇して元に戻った場合と2日間同じ値幅で上昇し続けた場合を示すと、翌々日と基準日とのリターンが株式市場のリターンの目標倍率(例では3倍)相当になっていないことが分かります。
短期間で一方向に相場が上昇又は下落するとブルベア型は目標倍率を超えるリターンを上げますが、実際の市場は上昇や下落を繰り返します。その場合にブルベア型は時間の経過とともに下落する特徴があります。
例として、株式市場が一定幅で上下を繰り返して元の価格にもどったケースを示しています。この場合、株式市場の値動きに対して3倍を目標倍率とするブル・ベアファンドの値動きをご覧頂くと、どちらも株式市場より下落していることが分かります。
そのため、ブルベア型ファンドを長期間保有すると大半は市場に対して劣後することになります。
分かり易い事例として次のページで日経平均先物の3倍ブルファンドの簡易的なシミュレーションを示しています。
2000年末から2023年6月末まで先物価格は2012年以降で右肩上がりに推移して約2.4倍になっておりますが、3倍ブルは下落時に大きく下げて悲惨な結果になっていることが分かります。
ブルベア型は市場が一本調子で上昇又は下落する期間で効果を発揮する短期の運用商品となります。
お客さまには「ずっと保有していれば市場の値動きに対して目標倍率分だけ儲かるだろう」と考えて、ブルベア型ファンドを継続して保有されている方もいるかと思いますが、「ブルベア型は長期保有には適していない商品」であることを十分にご認識ください。
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