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大地と海の恵み、北海道の食材の魅力を広く発信し、生産者と消費者の懸け橋に

選りすぐりの北海道の食材を届けるプロ

石川雅人

石川雅人 いしかわまさと
石川雅人 いしかわまさと

#chapter1

新鮮でおいしい北海道の食材を卸売市場から直送するオンラインストアを運営

 「当方が選び抜いた新鮮でおいしい北海道の食材を、市場から直送します」と話すのは、「恵千(けいせん)フーズ」代表の石川雅人さん。千歳市公設地方卸売市場で、農産物や海産物などの卸売りを行っています。

 「北海道の食材の魅力を広く伝えるため、オンラインストアも運営しており、四季折々の味覚を堪能してもらえます」と石川さん。

 春先はアスパラガス、6月頃になるとメロンやシャインマスカット、夏はトウモロコシ、秋になるとイモ類やタマネギ、新米など、旬の食材を販売。黄金のように鮮やかな色みと糖度の高さ、しっとりとした口当たりが人気のジャガイモ「インカのめざめ」は、年間を通して扱っています。注文は全国からあり、リピーターも多いと胸を張ります。

 「天候や気温などいろいろな条件で、品質が変わってしまうのが農産物の難しさです。当方では、収穫時期を迎える少し前に生産者の元を訪れ、出来具合を必ず確認するようにしています。長年の経験から、自信を持ってお届けできるものを見極めています。多彩な献立を楽しんでいただけるよう、発送の際には、おすすめのレシピも添付しています」

 海の幸も豊富で、サケやカレイ、ホッケ、カニにホタテ、イクラと魚介類がそろいます。

 「冬の寒さが厳しい北海道の海で育った魚は、脂がのっておいしいんですよ。加工品も用意し、栽培が難しく幻のタマネギと言われる『札幌黄』を道産の小麦に練り込んで作った生ラーメン、豊かな大地に育まれた野菜や果物を使ったジュースもありますので、ぜひご賞味ください」

#chapter2

存続が危ぶまれていた市場を守るために起業し、立て直しに奔走

 開設から50年余りの千歳市公設地方卸売市場には、存続が危ぶまれた時期がありました。当時、石川さんは妻の家族が営む青果店に勤務し、仕入れる立場でした。

 「同業者が廃業したり水産部門が休止したり、市場の売り上げは減る一方でした。千歳市は農業に携わる人が多く、市場がなくなると生産者さんは作物を販売しにくくなり、地域経済に大きな影響を及ぼします。流通の一助になればと2010年に卸売りの会社を立ち上げ、社名は、千歳市と、隣接する恵庭市から一文字ずつ取りました」

 石川さんは各方面に掛け合い、水産物の取り扱いを再開するなど、市場の関係者とともに立て直しに奔走します。
 「地元の高校生のアイデアを取り入れた食品を開発して、コンビニエンスストアで展開するほか、場内は普段、業者しか入れないため『市場まつり』として一般に開放したり、地産の食材で『親子料理教室』を開いたり、市場のPRも積極的に行いました」

 地道な努力が実り、売り上げは増加。2017年に存続が決定しました。「市場まつり」は地域のイベントとして定着し、午前中のみの開催にもかかわらず、約3000人もの来場者があるとのことです。

 数々の取り組みに手ごたえを感じた一方で、苦労もありました。特にコロナ禍は、飲食店が休業や時短営業を余儀なくされ、需要が落ち込みます。

 「大変でしたが、今後について考えを深める機会になりました。他社さんと提携して配達業務の効率化を進め、お客さまの利便性を高めることにもつながったのではと思います」

石川雅人 いしかわまさと

#chapter3

空港に近い立地を生かして、新鮮な食材をより早く届けられるよう尽力

 「困った時の恵千フーズだね」と感謝してもらえるのが、仕事のやりがいと語る石川さん。一例を挙げると、クリスマスの時期にイチゴがなかなか手に入らなかった時は、道内を駆け回って手配したそうです。

 顧客の要望に懸命に応えようとする姿勢は、かつて運送会社のセールスドライバーをしていた際に養われたかもしれないと振り返ります。
 「営業のことを何も知らず、失敗しながら一つ一つ学んでいきました。買ってくださいと言うだけでは、お客さまは買ってくださいません。誠実に対応する姿を見せ続けることで、自分という人間を信頼してもらうことが第一だと気づきました」

 周囲と信頼関係を築くことで、新たな試みもかたちにすることができたと言います。
 「宮崎県で催された北海道物産展に参加したときは、航空会社に協力してもらい、朝に畑でもいだトウモロコシを空輸して、その日の昼にお客さまに召し上がっていただくという企画を実現させました。トウモロコシは鮮度が命でもあり、とても甘くてみずみずしいと好評でした」

 国際空港の新千歳空港に近いという立地を最大限に生かして、新鮮な食材をより早く届けるシステムを整えたいとビジョンを描きます。

 「不安定な社会情勢などを背景に、近年は食料危機の問題が取りざたされ、北海道の重要な産業である農業や水産業を守っていく必要性を強く感じています。海外も含めて販路を広げ、生産者さんに安心して作っていただけるようにすることが、私どもの役割です」

(取材年月:2024年2月)

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石川雅人

選りすぐりの北海道の食材を届けるプロ

石川雅人プロ

卸売り

株式会社恵千フーズ

農業がさかんな千歳市とその周辺で穫れた野菜や果物、苫小牧港で水揚げされた魚介類などの卸売りに従事しながらオンラインストアも運営。確かな目利きで選んだ、新鮮でおいしい北海道の食を市場から直送します。

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