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住宅の「購入」VS「賃貸」、キーワードは『都度最適』!?

2021年11月23日

テーマ:住宅 購入 賃貸 住宅ローン 資産 売買

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 住宅購入 諸費用住宅ローン 審査資産管理

Z世代の住宅は購入か?賃貸か?

Z世代の意外な住宅所有への意識




昔からあるこの住宅購入VS賃貸論争。
令和のこの時代、
特にこれから社会の中心となるZ世代の
住宅所有についての意識はどうなのでしょう?



結論から申し上げますと

地域にもよりますが、
とりわけ首都圏のZ世代の意識としては
現在は

購入派

が多いようなのです

2021年1月7日付プレスリリースされました、
リノべる調査結果では、新成人の住宅購入派は
賃貸希望の4倍という、かなり高い傾向結果が
示されております

コロナ禍を経て、自分たちの将来像に
希望や不安を抱える中、「住まい」についても
多様な環境、意識を認め受け止める世代・・・

なぜ購入派が賃貸派を大きく上回る思考
となってきているのか?

それは、これまでの日本の常識としては

住宅不動産は基本的に年数が経つと
評価額が下がる

という考えでした

ところが反対に欧米諸国については
年数の経つ古い家でも、

その保存状態や立地そのものなどによって
新築購入当初と同じくらいの売買価格

いや、ともすれば値上がりなんてことも
ある意味当たり前

という環境、事例認識がある。

今のZ世代の人たちにとってみると
どうもこの欧米式な感覚があるようなのです。

さらにその購入資金について
住宅ローンを組んで購入しても全く問題ない
と考えていることも

給与が増えるような確信もないなかで
そのように思えることが、とにかく意外なことです。


住宅はやっぱり資産!?そのキーワードは『都度最適』


このデフレ下の日本において広く気付かされたことに

住宅は資産ではない!

というのがあります。

人生100年時代など、将来のことを強く意識して

お金についてもリスクをとった投資等資産運用も

行っている人は多くなりました。

そのことにより、平成バブル期に20代を過ごした
私たちの世代よりもずっと

資産とはどういうことか?

についてかなり定義が定着してきています。

つまり自分が住む住宅というものは

それ自体が自分に収入を増やしてくれる、
キャッシュインしてくれるものではないので

購入によっても賃貸に住んでいる時と同じように
固定資産税やローンの返済という固定費を払う
キャッシュアウトするものであることに
変わりはないので

購入で所有することは
資産を増やすことには決してならず

むしろ負債を増やすだけのことになる

という理屈になるはずなのです。

それがなぜ購入派が増えているのか?

については、物件の立地条件やトータルな
見方、評価をすることで、
これまで次に売却するときには購入時よりも
価格は下がる、という常識が変わり、

先に挙げた不動産に対する欧米的感覚を持っている
ほかに、
たとえば自動車の高級ブランド外車、
ポルシェやフェラーリなどのように
古くても値が落ちないものというのは
不動産市場評価によってもあり得る
という認識があるらしい。

またさらに、自分たちの家族や仕事の都合で
転勤するなどして、実際にそこに住む期間が
短くなるようなことがあったとしても

そうなった時には欲しい人に売ればいい

という思考もあるようです。

このように、自分たちの生活環境の変化においても
同様に欲しい人が将来も必ずいる、と思える
物件を購入すれば、売却時にも価格は維持
あるいは高く売ることも可能であるので、

これまで資産ではないと定義されてきた住宅についても

もしかすると高く売れるかもしれない

と考える世代になってきているようです。

このような都合の良い時に、都合の良い場所を
選んで、賃貸ではなく購入して保有することを


『都度最適』

という言葉で表現されるようです。

でも世の中そんな風にタイミングよく売れる!?


平成バブル期に20代を過ごした私としては

『都度最適』そのものの考え方、理屈は分かりますが

こんな大きな買い物である住宅が

そんな自分の都合にちょうど良いタイミングで
すぐに売却なんかできるものなのか!?

というギモンがとても残ります。

がしかし、

現在北海道は新幹線の札幌延伸や
北海道日本ハムファイターズが進める
北広島のボールパークなど

札幌市とその近郊はとても激しい再開発の年が
続いていきます

またコロナ禍によって一気に加速した
テレワークやダブルワーク
によっても、現在地方はその移住先の魅力というものが
注目されております

そしてそれを実践する中心は、
まさにこれからのZ世代
となるでしょう。

さらにはSDGsで示されるようなリサイクルなどの
エコ型循環型社会活動、経済活動というものが

この世代が中心になっていく頃には
今よりも断然進んで定着し、
新しいもの(新築)よりも中古を含めた
トータルなモノの価値評価
ということが当たり前になっていくでしょう。

それが不動産分野、不動産市場でも活発化していけば
『都度最適』も当たり前になって
今想像しているよりも
物件の売買取引スピードも加速化して
広がっていくのではないか?

とも思える点はあります

現在はオリンピック開催地等、特殊なイベントがあった場所
の再利用再開発といったところが
この考え方による市場の中心となり得るのでしょうが

これからの人が育ってくる中で
その環境、価値観というものも変化していくものです

北海道もその『都度最適』な場所に
中長期に渡り選ばれるような
街づくり、経済づくり、人と社会地域づくりが必要ですね

この記事を書いたプロ

望月良友

元銀行員の独立系FPによる法人経営コンサルと個人資産形成のプロ

望月良友(HORIZON FP事務所)

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