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9月23日付日本経済新聞より抜粋

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アルツハイマー「誤診」回避

血液検査で正確診断狙う

エーザイや米大が成果

アルツハイマー病の診断から「曖昧さ」がなくなろうとしている。

切り札となるのが、脳の様子を血液検査で測定できるバイオマーカー(体内指標物質)だ。

従来の問診や認知テストに置き換わり、患者の病理を正確にとらえて「誤診」の可能性を抑える。

新たな時代に入るアルツハイマー病治療の研究動向を追う。

アルツハイマー病の原因物質といわれるたんぱく質「タウ」の脳内での蓄積を血液中の物質から把握できるーー。

米セントルイスワシントン大学などの研究チームは3月、診療に変革をもたらすと期待を集める成果を英科学誌ネイチャー・メディシンに発表した。

「風穴を開けるバイオマーカーになる」。

研究を指導したセントルイスワシントン大特任准教授で、エーザイの研究部門の部長も務める堀江勘太氏は胸を張る。

患者の脳には、たんぱく質「アミロイドベータ」がたまった沈着物や、タウの繊維状の塊がみられる。

認知機能が衰える数十年前からアミロイドベータの蓄積は始まり、その後にタウが蓄積する。

そして神経細胞が徐々に壊され、認知機能障害などが現れる。

患者の病気の進行度を知るためには、脳内のアミロイドベータやタウの蓄積を正確に把握する必要がある。

これまで脳内のタウ量を血液から測定できるバイオマーカーはなかった。

堀江氏らが注目したのは「MTBR(微小管結合領域)タウ243」というタウの断片だ。

脳内でタウが塊を作る際に一部の構造が壊されると分泌されて血液に漏れ出す。

脳内の蓄積と相関があると考えられている。

検証が進めば、新たな診断法として認められる。

エーザイが出資する米バイオ企業「C2Nダイアグノスティクス」が開発を進めている。

もう一つの関連物質のアミロイドベータについては、「リン酸化タウ217」などのバイオマーカーが見つかっている。

アミロイドベータが脳内に蓄積すると、タウに異常なリン酸化が起こり、リン酸化タウ217が血液に漏れ出す。

FDAから承認

H.U.グループホールディングス傘下の富士レビオ・ホールディングスは5月、リン酸化タウ217とアミロイドの断片比率を測定する血液検査薬について、

米食品医薬品局(FDA)の承認を得たと発表した。

アルツハイマー病の診断を補助する血液検査薬が米国で承認されるのは初めてだった。

同社の研究開発本部長を務める青柳克己常務は「申請は他社より後だったが、初の承認を頂けて非常に光栄だ」と話す。

性能の高さは学術的に裏付けられていた。

スウェーデンの大学などは2月、複数社の検査薬を比べた研究論文を学術誌に掲載した。

富士レビオの検査薬は特定の測定手法では「もっとも高い性能」と評価された。

国内向けは2025年内に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に申請する。

血液検査が実用化すれば画期的だ。

アミロイドベータとタウを測る2つの検査を組み合わせれば、病気の進行段階が詳しく分かる。

最適な治療が可能になる。

現状の診断では患者や家族への問診、認知機能を測るテストなどで症状を基に判断する場合が多いが、アルツハイマー病と似た症状の病気と見分けるのが難しかった。

新潟大学が23年に発表した研究では、アルツハイマー病と診断された患者の約4割に別の病気の可能性があった。「誤診」は適切な治療を妨げるうえ、新薬の臨床試験

(治験)にも影響を与える。

アルツハイマー病ではない患者が治験の対象になれば、薬の効果が適切に分からない。

正確な診断にはアミロイドベータやタウを測る必要がある。

ただ、陽電子放射断層撮影装置(PET)検査は費用が高い。

脳脊椎液を採取する検査は体への負担が大きい。

国際的に診断の流れは変わろうとしている。

国際アルツハイマー病協会は7月、バイオマーカーを使った血液検査の臨床診療ガイドラインを策定した。

認知機能障害を持つ患者に対して、専門医が血液検査で診断することを促す。

検査精度にムラ

血液検査にも課題はある。

検査ごとの精度にばらつきがあるという。

感度を高めて、少量でも検出できる技術などが求められる。

人種によって評価基準が変わる可能性もあり、日本人を対象にした治験の実績が重要だ。

普及には社会の混乱を招かぬよう工夫する必要もある。

アミロイドベータの蓄積自体は加齢に伴ってみられる自然な現象だ。

認知機能に障害を及ぼさない場合もある。

検査対象者を認知症手前の軽度認知障害(MCI)などに限るなどの対応も必要になりそうだ。

正確な診断が実現した後は、それに適した新薬が求められる。

患者の段階ごとの治療が実現すれば、無駄が減り、医療費の削減にもつながる。

9月23日付け日本経済新聞15面より原文抜粋

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9月8日の記事に重なりますが「誤診」を回避し正確な治療ができるようになるとよいですね。

血液検査で正確に診断できるようになれば、早期に的確な治療に入れ進行を遅らせることが可能になる、

精度があがり認知症予備軍のかたに適用になり、認知症を減らす、遅らせる、治療することができる世界が目の前にきているのかもしれません。

本当に早くに広まってほしいと思いました。

他人ごとではないですから。

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石井則好
専門家

石井則好(加工食品製造・販売)

Co株式会社

高齢者施設などで深刻化する厨房スタッフの人手不足を解消すべく、真空パック食材と専用調理器によるオペレーションシステムを開発。スタッフ1人で約50人分の食事を提供できる上、作りたてのような温かさも魅力。

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