プロフェッショナルの感性で、工事現場を支えるさまざまなシステムを開発（3/3）

スキー場のナイター用照明、長大トンネルのネット環境整備にも対応

　ビックプロジェクトを無事に終えた佐藤さんは2013年に独立。トンネル工事などの狭い場所で人と車両をAIカメラで識別し通行を管理する信号機も完成させました。
　「通常の片側交互通行の信号機は、対向車がなくても一定の時間が経過しないと青になりませんよね。当方ではイメージセンサーで車両を検知し、一定台数になればすぐ青に変える仕組みにして、交通量を適切にコントロールできるようにしました」

　また、インターネットが使えない山奥やトンネルの中では、光ケーブルを敷設したり無線LANを設置したりすることで安定した通信を確保。「5キロを超える長大トンネルの中でも、ネット環境を整備することが可能」と説明します。

　佐藤さんの製品が活躍するのは工事現場だけではありません。スキー場の照明や宿泊施設のライブカメラなど、道内各地の観光地で稼働しています。
　赤井川村のスキー場・キロロスノーワールドでは、ナイタースキー用のLED照明やゴンドラ・リフトの監視カメラを備えました。
　「滑走の邪魔にならないよう、照明の支柱は付近の山側に設置されています。オフシーズンの工事でしたので、草木の生い茂った中での移動・運搬・作業は大変でしたね。キャタピラー装着した軽トラックも作っちゃいました」と振り返ります。

　「普段、人が立ち入ることのできない場所なんかは、心の奥に眠っている冒険心がくすぐられる感じがします。難しい仕事ほど燃えてきますね」と佐藤さん。今後はマンパワーを増やし、提案内容を充実させることで「みなさまの期待に応えていきたい」と力を込めます。

（取材年月：2022年8月）

■佐藤順人プロのプロフィールを見る

⇒施工業者の相談に応じて築き上げる多種多様なシステムが強み