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金や美術品の相続税は? 「実物資産」の評価と落とし穴 

渡邉一史

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トラブルを防ぐための注意点 実務で押さえておきたい備え


 実物資産の相続では、まず「誰の所有物か」という帰属が問われます。
税務調査では、単なる名義だけでなく、誰が実質的に管理していたかという実態も重視されるため、相続人名義であっても被相続人の管理下であったものは、相続財産とみなされる可能性があります。また、鑑定書や購入時の領収書がないと、適正な評価が困難になり、申告後に税務署と見解が食い違えばペナルティを課されるおそれもあります。なお、生前に資産の「贈与」や、特定美術品の美術館や博物館への「寄託」を行う場合には、契約書の作成など適切な手続きが必要です。

こうしたトラブルを回避するため、次のような生前対策を推奨します。

①保有資産のリスト化
資産の所在と種類、購入価格、入手経路などを整理しておく。
②専門家による簡易鑑定
高額と思われる資産については、あらかじめ評価の目安を把握しておく。
③名義と管理の明確化
資産を家族に贈与した場合は「贈与契約書」を残し、実質的な管理も移転しておく。

実物資産は、インフレに強いという魅力がある一方で、相続時には税務当局から「隠し財産」と疑われやすいという側面もあります。特に、近年価格が高騰している金(ゴールド)などは、数年前の感覚とは異なる高額な評価になることも珍しくありません。適正な評価に基づき、漏れなく申告することが、大切な資産を次世代へ円滑に引き継ぐための近道となります。

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渡邉一史
専門家

渡邉一史(司法書士)

司法書士法人渡邉事務所

相続の生前対策として遺言作成の提案、相続登記、財産や自社株などの遺産承継まで担当できる司法書士。税理士や弁護士と連携して依頼者の悩みをワンストップで解決。他の親族の気持ちにも配慮した提案を得意とする。

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