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保険の断捨離

栗栖史匡

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テーマ:事例紹介

50代女性の方から、ご両親が入っている保険の整理をしたいとご相談がありました。

ご両親は以前事業をされてたので、当時の法人名義で加入していた保険がそのまま残っていたりして、一人あたり約10件もの契約がありました。

まずは、保険会社名・証券番号・契約日・保険料・保険金などを一覧表にまとめて、ご提示しました。
そのためには、保険証券を1件づつ丁寧に読み解かないといけません。

中には30年前の終身保険などあり、俗にいう「お宝保険(少ない保険料で大きな保障がえられる)」もあり、噂には聞いていましたが本当にこんなお宝保険があったんだと勉強になりました。

その中で、1件ほど気になる保険がありました。

死亡保障付き、貯蓄付きの終身の医療保険です。
この保険はお金が貯まるタイプなので、今の解約返戻金を確認するとなんと183万円も貯まっていたのです。

そこで、検討すべきなのは①このまま継続するか?、②今解約して解約返戻金を受け取るか?の2択になります。

それぞれの場合でシミュレーションをしてみましょう。

①このまま継続する場合
この保険には80万円の死亡保障と入院1日8,000円と手術給付金の保障が終身でついています。
終身の死亡保障は80万円なので、こちらはいつかは必ず受け取れる保険になります。
一方、入院手術の保障はどうでしょうか?この契約では「病気入院8日以上」という条件が付いていました。
現在、入院日数はどんどん短くなっているため、8日以上入院する可能性はとても低いかもしれません。

②今解約して解約返戻金を受け取る場合
今解約すると保障は今後無くなりますが、解約返戻金を受け取ると間違いなく183万円が手元に残ります。しかも、この解約返戻金はちょうど今がピークを迎えてて今後はどんどん減っていくというものでした。


以上より、①と②を比較してみたいと思います。
①の方が得になるケースは、解約返戻金よりも将来受け取る保険金の方が多くなるということですので、簡単な算数で計算してみると、

①死亡保険800,000円+入院保障8,000円×[入院日数]>②1,830,000円

という式が成り立ちます。
これを[入院日数]について解いてみると、

[入院日数]>129日(約4カ月)

つまり、今後129日以上入院したときに①この保険を継続したメリットがあるということです。
(手術給付金は考慮していません)

いかがでしょうか?

保険はいつ起きるかわからないリスクに対して準備しておくものです。
もし今後入院することになったとしても、今解約して解約返戻金の183万円を入院時の保障に充てることができるのではないでしょうか?

保険を検討するときに、どっちが得か損かということを考えるのはナンセンスですが、万が一が起きたとしてもすでに十分備えがあれば保険は必要ないのではないでしょうか?

さらに今回の場合は、病気入院の保障が「8日以上」という結構ハードルの高い条件が付けられていたため、依頼主様へは「解約」をお勧めしました。

保険の断捨離をするには、ご自分ではなかなか難しいと思います。
かといって保険の営業に相談しても、次の保険の提案もセットになるでしょうから、純粋な意見を求めることは難しいかもしれません。

弊社は保険代理店ではありませんので、純粋に中立公平なアドバイスが可能です。
保険の内容に疑問を感じたらご相談ください。

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栗栖史匡
専門家

栗栖史匡(保険コンサルタント)

株式会社ライトサービス

万が一のときに、保険の内容がわからなかったり、離れていて手続きがなかなか進めない場合に、保険の確認から医療機関との確認、各種書類の取り付けなど、すべて代わりに行います。

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