保険金見込み勘違いの悲劇
今回は保障の見直しに伴う住宅ローンの見直しと老後生活資金の設計のご相談事例をご紹介します。
家族構成:40代女性医師H氏(シングルマザー)+子一人
もともとは病気等になったときに住宅ローンを返済していけるか?についてのご不安からの保障の見直しというご相談でした。
住宅ローンにはもともと団信という保障制度があり、亡くなった場合などは残りの住宅ローンを免除するという制度です。
Hさんの住宅ローンについている団信は死亡と高度障害状態に対する保障しかなかったため、病気等で仕事ができなくなったときの保障がないという問題がありました。
これを出発点として、コンサルタントさせていただきました。
まず最初に選択肢として検討したのが、民間の保険会社の就業不能保険です。住宅ローンの残額が4000万円ですので、それに相当する就業不能保険の保険料は毎月約5万円にもなります。
あまりにも高額となるため、次に住宅ローンの団信を8大疾病に対応したものにすることを検討しました。その場合、わずか月数千円の負担で8大疾病の団信を付けられることがわかりました。一般には住宅ローンのための保障は団信の方が格安で備えることができます。
しかし、住宅ローンの団信は途中で変更できず、住宅ローンの借り換えが必要になりました。
(団信の途中変更はできないため、住宅ローンの借り換え時に希望の団信を申し込む必要がある)
そこで、今度は住宅ローンの借り換えシミュレーションを行いました。
Hさんは、金融資産がある程度あったので1000万円を使って繰上返済をするかどうか?について検討を行いました。
Hさんは「住宅ローン控除が終わるまでは繰上返済しない方がよい」と聞いていたようですが、果たしてその通りなのでしょうか?
住宅ローンの残額や返済期間、繰上返済返済額によって一概には言えないと僕は考えています。
そのため僕はそこに疑問を感じ、詳細にシミュレーションを行った結果、なんと繰上返済返済した方が約200万円も総返済額が減ることがわかりました。
このシミュレーションには当然借り換えの諸費用等も考慮しました。
一般的には住宅ローン控除を受けられる10年間は繰上返済しない方が良いと認識されていますが、そうでない場合が今回の事例です。
詳しくシミュレーションしてみないと分からないとうことです。
住宅ローンの借り換え手続きもサポートさせていただき、保障の見直しも行い、現在はHさんは安心して生活をおくられているようです。
保障の見直しが今回のご相談の出発点でしたが、詳しくシミュレーションすることによって最適な選択肢をご提案できました。