ペアシェイプカットダイヤモンドの婚約指輪
少し前になりますが、昭和42年に当店で購入していただいた婚約指輪のリフォームを承りました。お手持ちのブルートパーズのリングと合わせてペンダントネックレスに加工させていただき、「これで、また着けるのが楽しみになるわ」と、とても喜んでいただきました。
昭和42年というと今から45年前になりますので、当店が創業して21年目の時。当時の店主は私の祖父でした。私はまだ生まれておりませんし、2代目である父もまだ大学生でしたので、ご購入当時のことを知る者は現在のスタッフにはだれもおりません。
ですから、お客様からこの婚約指輪を私の祖父からご購入いただいたというお話をうかがった時は、とても不思議な感じがしました。
祖父は私が生まれるおよそ一年前に他界したため、私は初代である祖父にはあったことがありません。しかし、このようにお客様から祖父母のことをお聞きしたり、祖父母からご購入いただいたジュエリーを見るたびに、私の祖父母が当店を開業してから、両親、そして私とこの小さな店が66年に渡り、営業を続けることができているという歴史を実感します。そしてなによりその永年のお客様からのご愛顧に深く感謝の念を感じます。
婚約指輪や結婚指輪に限らず、親御さまからの成人のお祝いや厄除けのお守り、結婚記念日のジュエリーなど人生の節目節目でご購入されたり、プレゼントされたものはお客様それぞれに人生のストーリーがあり、思い入れがある、本当に宝物だと思います。そんな宝物をご提供できる仕事をしていきたい、そしてその大切な宝物を末永くご愛用いただけるようメンテナンスサービスにも力を尽くして、当店をお選びくださったお客様のお役に立てる。そんな存在でありたいと思っています。
リフォーム前
リフォーム後