毎日が無料相談会

　弁護士の報酬基準が基本的に自由化されて、しばらく経ちました。

　従前は、広島弁護士会報酬基準というのがあって、原則的にそれに従っていました。

　法律相談は、30分5000円以上というのが基準で、弁護士に相談するには30分5000円かかるんだということは皆さん知っておられたと思います。

　しかし、報酬が基本的に自由化され、相談料も自由化されました。

　自由化されると、高くなるのではないかと思われるかもしれませんが、低くなっているのが実情です。
　そもそも、報酬基準は、安くしてダンピングしないための基準で、「○○円以上」という決め方をされていました。
　これが、独占禁止法に触れるのではないかという公正取引委員会の指摘があったとかで、自由化されたわけです。

　それでも、「安くすると言っても、限度があるだろう」と思い、「クレサラだけは2000円、あとは従前通り5000円ならいいだろうか」としてみたり、「クレサラ・交通事故は無料にしても許容されるだろうか」と、試行錯誤してきました。

　そして、1年くらい前からは、「相談料はすべて無料」（但し同じ人の相談が複数回に及べば別途相談）にしています。
　ほかの弁護士からしたら、「不当なダンピング・たたき売り」と言われるかもしれません。
　
　しかし、弁護士への相談料がハードルや敷居の高さになって、弁護士にアクセスすることができない人がいて、それで不当に苦しまされているとすると、相談料を無料にすることも、一定の意味があると思います。

　また、相談料が無料ということになると、気安い電話相談なども毎日かかってくるので、弁護士側の負担は決して軽くありません。
　
　しかし、相談料をもらうまでもない気軽な法律相談にも、実は重大な意味が含まれていることもよく体験します。