窃盗中毒病 クレプトマニア
大晦日から元旦にかけての深夜、元旦、2日、3日と、地元の住吉神社や空鞘神社の前で、セイカツしていました。
「セイカツ」が何か分からないという方は、http://imajin.jp/
をご覧ください。
ひそかに流行語大賞を狙っています。
さて、神社のことばかり書いていては、マイベストプロの趣旨に反するので、今回は、弁護士としてよく質問される、「専門は何ですか?」という意味について考えてみます。
そもそも「専門」って何でしょう?
「基礎」とか「一般」とは違って、かなり高度なことをやるイメージがあります。すばらしい意味に聞こえます。それはそうでしょう。
しかし、「専門」が必ずしも、そういう意味とも限りません。
例えば、外交官試験の最難関は、エリート幹部候補生を採用する、外務1種。これはどうやら制度が変わったみたいですが。アメリカやイギリス、フランス、国連など諸大国を回り、全世界的な感覚を養うそうです。ゼネラリストというやつです。特定の地域や言語を極めることは必要ありません。つまり、専門性がありません。
そして国家公務員2種に相当すると言われるのが、外務専門職員。アラビア語やスワヒリ語、ヘブライ語など、マイナーな言語や、中国語やスペイン語などメジャーな言語もありますが、それを取得し、対象地域の政情に精通するそうです。文字通り、専門家です。
どちらがより専門的かと言うと、後者です。
しかし、全世界的な観点を養うという前者の方が、エリートであり、上位で評価されています。
このように、専門性とは、その分野における高い知見や技術を習得しているという意味だけではなく、分野を絞っている、狭めている、という意味もあるのです。良い意味にも、悪い意味にもなるのです。
そもそも、「専門」とは、もっぱら1つの門に絞るという意味もあります。
そう考えると、「○○科」という看板を掲げて診療している医師とは異なり(その方がより高度に専門的な医療サービスが提供できるでしょう)、弁護士のほとんどは、いろいろな分野を手がけているので、「専門」は、無いということになります。
広島レベルの都市では。ごく少数の弁護士を除き、複数しかも少なくない広い分野の事件を引き受けたり相談にのったりしています。
「専門は破産、債務整理、と刑事と会社関係と相続と・・・」というのは、専門が複数あるというのは、おかしい話ということになります。
一部の方のみ、「医療が専門」などと、言うことができます。
私の場合、「専門は何ですか?」という問いに対しては、「専門というものはないですが、医療、交通、破産、債務整理、過払いと刑事、遺産関係が、比較的得意です」というふうに答えますが、相手は「???」という顔をします。
逆に、やらない、できない分野は何ですか? と訊かれた方が、正確な答えが返ってくるかもしれません。
あるいは、複数の分野を手がけることを前提に、最も得意とする分野を専門分野と定義すれば、コンセンサスが得られるかもしれませんが、もはや「専門」の語義を離れた解釈でしょう。