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コラム

金融機関の特性について

2019年5月27日

テーマ:経営

コラムカテゴリ:ビジネス

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『金融機関の特性について』
…各金融機関の特性を理解すれば銀行対応はよりスムーズに
なります。
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ある関与先様から、「個人の資産や家族構成など根掘り葉掘り
聞かれた。気持ちが悪いが大丈夫か?」というご質問を頂戴し
ました。

融資審査時に、主に決算書だけで判断する金融機関もあれば、
個人や家族の状況も含めて判断する金融機関もあります。それ
ぞれの金融機関の特性を知っていると、余計なストレスを感じ
ることなく対処できます。

金融機関の種類を大きく分けると、メガバンク、地方銀行、信
金信組、政府系となります。いずれの金融機関も商品は融資
(お金)ですが、各金融機関の価格(金利)と審査の方法は違
います。

総じて価格(金利)が安いのはメガバンクと政府系金融機関で
す。同じ商品であれば、当然価格が安いところにお客様は集ま
りますので、メガバンクは多くの見込み客の中から融資先を選
定することが可能です。よって、メガバンクは、数多くの見込
み客の中から、無理をせず、信用力の高い企業とだけお付き合
いをしようとします。

一方、お金の仕入れコストが高い信金信組は、価格(金利)で
メガバンクに勝てません。メガバンクから0.7%の金利で融
資を受けられる優良企業が、わざわざ2.5%の金利で融資を
受ける理由はありませんので、信金信組は、メガバンクが融資
をしない企業の中から融資先を探すことになります。

信用力が高い企業を相手にしているメガバンクの審査はシンプ
ルです。決算書を見て、業績や財務内容が良ければ融資を行い、
業績や財務内容が悪ければお断りします。一般論ですが、業績
や財務内容に問題のある中小企業に対して、審査に手間暇をか
けてまで何とか融資をしようという動機はメガバンクにはあり
ません。

一方、価格競争力で劣る信金信組には、信用力が高い企業は集
まりにくいため、決算書だけで審査をしていては、融資をする
先が限られてしまいます。よって、社長個人、配偶者や子息の
資産状況等も調べ、融資が出来る材料を何とか見つけだそうと
します。

冒頭の関与先様のように、個人的な情報を詳細に聞かれるのは
気持ちが悪いと感じる方も少なくないでしょう。中には、金融
機関に情報を与えすぎるのは良くないと考え、個人資産等をあ
えて少なく申告する方もおられます。決算書だけで勝負できる、
もしくはそこまでして借りる必要がないのであれば問題はあり
ませんが、借りる必要があるならば逆効果です。

メガバンクと信金信組の大まかな違いをご説明しましたが、メ
ガバンク同士や信金信組同士でも違いがあります。各金融機関
の特性を理解することで、金融機関とスムーズに話を進められ
るようになります。金融機関対応で疑問を感じていることがあ
れば、是非弊所にご相談ください。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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