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『創業計画(事業計画)はなぜ必要か?』(その2)

石田雄二

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テーマ:経営

創業(開業)初期には、創業赤字が発生します。創業日当日は
赤字でしょう。創業月も赤字でしょう。
赤字期間は資金が沈み続けます。資金が底をつくまでに、黒字
に転換しなければ、事業は継続できません。
(※財務的な黒字と資金の黒字とは、厳密にはイコールではあ
りません。ここでは資金黒字、資金赤字を指します。)

○では、いつ黒字になるのでしょうか?
○何を基準に赤字・黒字を判断するのでしょうか?

■創業に必要な最低限の「事業パッケージ」を決めることから
 始めましょう。
〔例〕
・従業員は2名必要…人件費
・事務所は10坪必要…保証金や備品
・自身の費用は月にいくら必要…役員報酬(生活費)
・その他費用は…
等々
必要な初期投資とランニング費用が算出されます。必要資金と
月次の損益分岐点がわかります。自分自身が設計した「事業パ
ッケージ」に沿って、事業の黒字ラインが決まります。

■創業事業計画は、「事業パッケージ」の設計に力点を置いて
ください。この、創業に必要な最低限の「事業パッケージ」、
これは創業の成否を決める大きな要因になります。

1.この「事業パッケージ」が大きすぎて、黒字化するまで資
  金が持たない、または、実力不足でいつまでも黒字化でき
  ない。
2.この「事業パッケージ」が小さすぎて、事業が立ち上がら
  ない。

前者が多いのですが、案外後者も少なくありません。

○月商400万円が月次損益分岐点売上高の飲食店、十分な経
験がなければ、決して容易な売上高ではありません。相応のメ
ニュー・立地・マネージメントが必要になります。初めて飲食
店を開業される方には、重すぎる「事業パッケージ」です。初
めて飲食店を開業されるのなら、半分以下の損益分岐点を想定
される方がよいでしょう。(上記1)

○スタッフを3人雇って開業する○○コンサルティング、相応
の事務所を構えて、広告にも費用をかける、月次損益分岐点売
上高は350万円になります。相応の実績や経験がなければ、
損益分岐点売上高としては小さくない計画です。
スタッフを3人雇うので、当初から受注が必要、故に、広告に
も大きな費用を投入する、このような論理で費用は膨らみます。
スタッフ1名から始めることができれば、損益分岐点売上高は、
100万円程度引き下げることができます。(上記1)

○逆に、事務所も置かず、人も雇わず、1円創業・一人開業の
●●コンサルタント、営業費用もかけずに足で稼ぐ、月次の損
益分岐点売上高は50万円になります。スタート時はこれでよ
いとする考え方もありますが、相応の顧客を獲得することもで
きず、鳴かず飛ばずで終わることも少なくありません。お金を
かけなければ良い、こんな単純な話でもありません。(上記2)

■「計画通りに進まない」この達観が必要です。

売上の主体は他人・世間です。自分の思い通りに行かないこと
が多いものです。一方、費用や投資は、自分自身が主体者です
ので思い通りに進みます。
創業計画の内、費用や投資は計画通りに執行されますが、売上
は予定通りには上がらない、これがそもそも計画と言うもので
す。そんなものです。この達観が必要です。

思い通りに行かない計画を軌道に乗せるためには、努力を継続
する時間を稼ぐしか他に方法はありません。粘ることです。粘
るためには、当然資金が必要になります。

実力以上の大きな損益分岐点売上高を自らが設定して、粘る時
間を敢えて短くする必要はありません。また、創業初期には、
この粘る時間を少しでも稼ぐために、積極的に資金調達に動く
べきです。

■創業時には…

○自分自身にとって最適な「事業パッケージ」を設計してくだ
 さい。
○「計画通りに進まない」この達観を持って、「計画通りに進
 まない」ことに備えてください。備えるために資金調達に励
 んでください。

上記の仮説を持って、専門家にも相談してください。

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石田雄二
専門家

石田雄二(税理士)

石田雄二税理士事務所

単に安いだけでなく、創業後の会社の管理体制構築までサポートします。また、税理士だけでなく、社労士も在籍しているため、助成金の獲得支援を強みとしている点も好評です。

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