最強のコミュニケーションツールとは
目的があってこそのIT(インフォメーションテクノロジー)
Aさんの事例。
Aさんの仕事の一つは 機器管理です。
数百台の小型機器を各部署へ貸し出しを行い、期限までに返却していただきます。
返却時には所定の点検を行い、保管します。
保管中、点検時期になったものは手順に従って点検し、修理が必要なものは外部へ修理に出します。
機器の貸し出し状況、在庫状況、所在、点検時期、寿命、履歴などの情報管理を
同僚数名でエクセルを使って行っていましたが 以下のような疑問を持っていました。
「バーコードを利用するともっと簡単になるのにな」
「他社ではそのような方法でやっているのに」
「システム関連の会社から紹介されるシステムは高価な上に融通が利かない」
「大規模な仕組みは不要なのに」
そして 友人が似たようなことを「アクセス」で行っていて、サンプルとしてファイルをくれたそうです。
「アクセス」は ワードやエクセルで知られるMicrosoft Office製品のひとつの Access 。
エクセルを使える人なら もう少しばかり学習することで小規模な業務支援システムが作れます。
業務に則した専用画面が簡単に作れ、必要に応じて蓄積したデータを組み替えて表示できます。
LANでつながったパソコンが複数あれば データの共有も簡単です。
登録したデータからバーコード表を作って印刷もできます。
バーコードリーダーは 高価なものもありますが 1万円以下の安いものもあります。
大きな会社なら 使用されずに眠っている物もありそうです。
USB接続できるものを選ぶと パソコンとの接続は簡単で、キーボード入力の代用としてもすぐ使えます。
アクセスは リレーショナルデータベースと呼ばれる仕組みのもので
レコード(データの集まり)の設計、クエリー(必要なデータを組み合わせて抽出したり更新するなど)の作成など 最初は少々ハードルが高いかもしれません。
また VBAと呼ばれるプログラムを適宜 少しばかり利用するととても利便性があがりますが これも 最初は少し難しいかもしれません。
いずれのハードルも越えてしまえば 自分のスキルとなりますので がんばってみる価値ありです。
しっかり者のAさんは 会社から学習資金の援助も承諾してもらい、
時々 その資金で指導を受けながら、自前のシステムを作り、 職場で運用しています。
自ら作ることは 以下のようなメリットがあります。
職場にいるAさんが 業務分析をし、自ら設計することで 実情にあったシステムになっています。
業務分析の過程では 職場の仕事の問題点を洗い出すことにもなりました。
また 設計者のAさんが職場にいるので 今後 実情に合わせてシステムの改良も行えます。
管理ノウハウを職場で蓄積し、また 後輩へと引き継ぐことができます。
アクセスの学習は 具体的な事例がないと難しいものです。
事例の載った参考書がたくさんありますが 他人様の事例はピンとこないし、やる気も起こってきません。
Aさんは 身近に解決すべき問題を感じ、検討した結果 アクセスの利用に行きつきました。
そして、自ら取り、事例も参考にしながらシステムを作り、運用に至っています。
目的があればこそのIT利用ですね。