小学生の起業家教育とは?世界の事例に学ぶ、お店づくりで育つ5つの力

小学生の伝える力とは、「自分の考えを、相手にわかる順番で話したり書いたりする力」のことです。
じょうずに話せることや、言葉をたくさん知っていることとは、少しちがいます。大切なのは、話す順番です。
「今日、学校どうだった?」と聞くと、「ふつう」で終わってしまう。発表のとき、何から話せばいいかわからなくなる。作文が1行で止まってしまう。そんな姿に、心配になる親御さんもいると思います。
でも、考えがないわけではありません。多くの場合、考えを入れる「箱」がまだないだけです。
このコラムでは、伝える力を「話す順番の箱」として見直します。そのうえで、世界の学び方と、家でできることを紹介します。
伝える力は「話のうまさ」ではなく「順番」です
伝える力と聞くと、はきはき話せる子や、人前で緊張しない子を思いうかべるかもしれません。
もちろん、それも大切です。ただ、声が小さくても、よく伝わる子はいます。そういう子は、話す順番がわかりやすいのです。
おすすめしたいのが、次の3つの箱です。
1. 結論:いちばん言いたいこと
2. 理由:どうしてそう思ったか
3. 例:見たこと、あったこと
たとえば「給食、何がおいしかった?」と聞かれたとき。
「カレーがいちばんおいしかった(結論)。いつもよりからくなかったから(理由)。おかわりの列が、いちばん長かったよ(例)。」
この3つがそろうと、聞いている人の頭に、その場の様子がうかびます。
反対に、例から話し始めると、どうなるでしょう。「おかわりの列がね、長くてね、それでね……」。話は楽しいのですが、聞く人は「何の話かな」と待ちながら聞くことになります。先に結論があるだけで、聞く人はぐっと楽になるのです。
学校でも「話すこと・聞くこと」を学んでいます
小学校の国語には、「話すこと・聞くこと」という学びがあります。相手や目的に合わせて、話の組み立てを考える力を、1年生から少しずつ育てていきます。
ただ、授業の時間には限りがあります。子どもが毎日いちばん長く話す相手は、家族です。家での会話は、いちばん身近な練習の場になります。
世界の子どもたちは、こうして学んでいます
イギリス:話す力を、読み書きと同じように教える「ボイス21」
イギリスには、「ボイス21」という団体があります。話す力を、読む力や書く力と同じように、学校できちんと教えようという取り組みです。
授業では、ただ発表するだけではありません。友だちの話を聞いて、「つけ足しです」「ちがう考えです」とつなげて話す練習もします。
団体の発表によると、2022年から2023年にかけて、852校を支え、約20万人の子どもにとどきました。
イギリス:話す練習は「6か月分の伸び」とされています
イギリスの「教育基金財団(EEF)」は、どんな学び方に効果があるかを、たくさんの研究から調べている団体です。
そのまとめでは、話す力や言葉の力を育てる取り組みを受けた小学生は、受けなかった子とくらべて、1年でおよそ6か月分、学びが伸びるとされています。しかも、お金があまりかからない方法だといいます。
話す練習は、話す力だけでなく、読む力や考える力にもつながっているのです。
アメリカなど:好きなものを見せて話す「ショー・アンド・テル」
アメリカやイギリスの幼稚園や小学校では、「ショー・アンド・テル」という時間がよくあります。英語で「見せて、話す」という意味です。
子どもが家から好きなものを1つ持ってきて、みんなの前で見せながら話します。「これは何か」「どうして好きか」「どんな思い出があるか」。手に持ったものがあると、話す順番が自然に決まります。
3つの例に共通する「育つ力」
3つの例をならべると、子どもが同じことを練習しているのがわかります。
1. 決める:いちばん言いたいことを、先に決める
2. 組み立てる:理由と例を、順番にならべる
3. 聞いてつなげる:相手の話を聞いて、自分の話をつなげる
私はふだん、コピーライター・マーケターとして、お店や会社の「伝え方」をお手伝いしています。
仕事で毎日感じるのは、伝わらない文章の多くは、言葉がまずいのではなく、順番がまよっているということです。言いたいことが最後まで出てこないと、読む人はつかれてしまいます。
これは、大人も子どもも同じです。先に結論を言う練習は、一生使える力になります。
家で今日からできる3つのこと
1. 「いちばん〇〇だったのは?」と聞く
「今日どうだった?」は、答えるのがむずかしい質問です。何から話せばいいか、子どもがまよってしまいます。
かわりに「今日いちばん楽しかったのは?」と聞いてみてください。「いちばん」と聞かれると、結論から話しやすくなります。
2. 「どうして?」「たとえば?」で、2つ目と3つ目の箱をうめる
子どもが「体育」と答えたら、「どうして?」と聞きます。次に「たとえば、どんなことがあったの?」と聞きます。
これで、結論・理由・例の3つの箱がそろいます。最後に「つまり、体育がいちばんだったんだね」と、親が短くまとめてあげると、話の形が子どもの中に残ります。
3. 夕ごはんのときに「1分発表」をする
週に1回、夕ごはんのときに、家族が順番に1分だけ話す時間をつくってみましょう。テーマは「今週のニュース」「おすすめのおやつ」など、なんでもかまいません。
大人も3つの箱で話してみせると、子どもはまねをして覚えます。話したあとは、「どこがわかりやすかったか」を1つだけ伝えてあげてください。
親御さんが気になりやすい3つの疑問
人前で話すのが苦手な子でも大丈夫ですか?
大丈夫です。伝える力は、人前で話すことだけではありません。家族との会話や、メモに3つの箱を書くことからでも育ちます。
なれてきたら、少しずつ聞く人を増やしていけば十分です。
話が長くなってしまう子は、どうしたらいいですか?
話が長い子は、伝えたいことがたくさんある子です。止めるのではなく、「いちばん言いたいのはどれ?」と聞いてあげてください。
結論を先に決めると、話は自然に短くなります。
作文にも役立ちますか?
役立ちます。結論・理由・例の順番は、作文にもそのまま使えます。話して組み立ててから書くと、何を書けばいいかまよいにくくなります。
まとめ
小学生の伝える力は、話のうまさではなく、話す順番から育ちます。結論・理由・例の3つの箱があれば、考えを相手にわかる形にできます。
イギリスでは、話す力を読み書きと同じように学校で教える取り組みが広がっています。家でも、「いちばん〇〇だったのは?」という聞き方から始められます。
相手にわかる順番で伝える力は、大人の仕事でも大切な力です。私のメールマガジンでは、共感を呼ぶ伝え方の集客成功事例集を、無料でお届けしています。毎朝7時には、ニュースメールもお送りしています。お子さんとの会話のヒントとしても、ぜひお役立てください。
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