ホメオスタシスとRAS/二つの脱獄(2026/10/21)
もう一つの脳
静的な平衡ばかりでは、
人類は既に滅びたか、
少しの進化だけでそこに留まっていたはずだ。
しかし、人類が今あるのは、
服があり、今日のメシがあり、寝る場所があるだけでは、
必ず、飽きる。満足できない。
そして、そのままではやがて破綻すると感じるのだ。
アロスタシス
これを、ホメオスタシスの対義語で、
アロスタシス(滅びの前の変化=動的平衡)という。
どんなにそこが安心・安全で快適でも、
その延長線上に滅びがあると感じられる場合、
脳は安心・安全を捨ててでも変化することがある。
これも脳なのだ。
破綻
この場合の破綻とは、
肉体的、物質的な破綻は当然だが、
精神的、霊的な破綻も含まれる。
むしろ、後者の方がより深刻だ。
人間は霊性が高いので、それが強くなる。
人間以外の動物にアロスタシスはおそらくはない。
大きくなる違和感
私のホメオスタシスが「今のままでいよう」と
どれほど快適な檻の中に私を閉じ込めようとしても、
サリエンシー・ネットワークが鳴らし続けた警報は、
やがて無視できない大きさになっていた。
このまま勤め上げ、安定した給料をもらい、
何不自由なく定年を迎える。
世間一般の物差しで見れば、
それは「大成功の人生」のルートに他ならない。
しかし、脳の深部――生命維持のレイヤーでは、
全く別の恐怖が検知されていた。
「このまま思考を停止し、
自分の主権を組織に預けたままで生き続けることは、
生物としての精神の死、
すなわち『霊的な死』を意味する」と。
走馬灯の予告?
そしてついに、私の脳は、
ホメオスタシスからアロスタシスに
切り替わってしまった。
自分でもわからないが、
このまま、自分の時間を他人のために積むということは、
最期に自分には何も残っていないことに、
死を前にした時に、初めて気づく。
取り返しのつかない後悔をする。
というイメージ?シーン?が、
具体的で、鮮明になってしまった。
脳よ、お前は誰だ?


