最後の挑戦開始/二つの脱獄(2026/10/16)
一つ目の脱獄
私は2018年に26年間勤めた長瀬産業株式会社を辞めた。
今でも、つくづく良い会社だったと思う。
もう一度サラリーマンやるなら、絶対に長瀬産業だ。
それでも私は長瀬産業を辞めた。
それは、長瀬産業が極めて居心地も待遇も良い安全な檻だと気づいたからだ。
檻とは何か
なぜ、長瀬産業が檻なのか?
乱暴な言い方をすれば、
私の時間を売って、お金に変える場所だからだ。
何を言っている?と思うだろう。
みんなそうしている、
出来るだけ高く、条件も良く、ホワイトな環境で、
自分の時間を買ってくれるところを得るのが、
良い人生というものだ、と。
檻の外
では、檻の外は何か?
檻の対義語なので、
他人の時間を買って、自分の時間を得る場所だ。
お金は、何かと交換してこそ意味がある。
そして、最も価値が高いものは命であり、命=時間である。
長瀬産業がどんなに良い会社でも、
命を金に換えている場所に相違ない。
なぜ、最も価値の高いものをお金に換えるのか?
常識
20歳の若者に、あなたのこれからの40年を5億円で買う!
と言ったら、売る若者は何人いるだろうか?
売った瞬間に60歳の初老の人になる。
たぶん、99%の若者が売らないだろう。
でも、生涯年俸5億円の超優良企業にはよろこんで入社する。
もちろん、60歳までにはその5億円を使って、
結婚し、子供を育て、家や車を買い、
旅行に行き、美味しいものを楽しむだろう。
老後の備えもバッチリだ。
それが、成功した人生だ。常識的には。
麻薬
私もそう思って長瀬産業に入社した。
しばらくは楽しかった。
しかし、ある時、感じてしまった。
生きている実感がしない、と。
でも、多くの人はそんなことは感じない。
麻痺していると言っても良い。
待遇が良ければよいほど、
生きている実感などなくても生活できる。
そう、給料は麻薬なのだ。
なぜ麻薬なのか
人間は本来、生きるか死ぬかの環境で、
五感と持てる能力・経験・人脈をすべて動員して生き抜いてきた。
そのような環境でこそ、生きている実感を感じられる。
脳的に言えばドーパミンが出る。ホッとした時にセロトニンが出る。
これは、現代人も同様だ。
しかし、全員にそんなことをされては、不安定極まりない。
資本家にとっても、政府にとっても、
従順で優秀な労働者が大量に必要だ。
なので、そういう教育をし、常識を作り、
少しでも良い待遇を与えて、飼いならしてきた。
そう、給料は、脳内麻薬であるドーパミンの代わりなのだ。
脳よ、お前は誰だ?


