子育ての悩みから→ わが子の大変身 たった一つの続けたこと
子どもの生きづらさの原因とは 不登校・いじめ問題の背景にある「発達の空白化」と社会脳
近年、日本の教育現場ではさまざまな課題が指摘されています。
文部科学省の調査によると、小中学生の不登校児童生徒数は約34万人と過去最多となりました。
また、いじめの認知件数は約73万件とこちらも過去最多です。
さらに厚生労働省の統計では、小中高校生の自殺者数も過去最多水準となっています。
一方、日本では少子化が急速に進み、2023年の出生数は約72万人と過去最少となりました。
ユニセフの調査では、日本の子どもの精神的幸福度は先進国の中でも低い水準とされています。
つまり現在の日本では
• 不登校の増加
• いじめ問題の増加
• 子どもの自殺増加
• 子どもの幸福度の低下
という複数の社会課題が同時に起きています。
では、なぜこのような状況が起きているのでしょうか。
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発達の空白化とは何か
私が子どもの発達と教育の研究を続ける中で気づいたのが
発達の空白化
という現象です。
発達の空白化とは
子どもの成長過程で本来経験するはずの
• 身体活動
• 遊び
• 対人経験
などの経験が不足し
発達の土台が十分に育たない状態
を指します。
子どもの発達には本来、次の順序があります。
身体
↓
感情
↓
社会性(社会脳)
↓
学習
つまり人間はまず身体を動かす経験を通して
感情や社会性を育て、その上で学習能力が発達していきます。
しかし現代社会では
• 外遊びの減少
• ボール遊びの減少
• 集団遊びの減少
• デジタル機器の増加
などにより、子どもたちの発達経験が大きく変化しています。
その結果
身体や社会性の経験が不足したまま成長する子ども
が増えている可能性があります。
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発達の空白化のサイン
学校や家庭では次のような様子が見られることがあります。
学習面
• 先生の話を最後まで聞けない
• 授業中に座り続けることが難しい
• 指示を何度も聞き直す
• 宿題に取りかかるまで時間がかかる
• 学習に集中できる時間が短い
運動・身体面
• ボールをうまく投げられない
• 姿勢を長く維持できない
• 体幹が弱い
• 体育を嫌がる
• 身体を使う遊びを避ける
これらは単なる性格ややる気の問題ではなく
発達の土台が十分に育っていない可能性があります。
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放っておくと起こり有ること
発達の空白化が続くと
• 学習への苦手意識
• 運動への苦手意識
• 自己肯定感の低下
• 友人関係の困難
• 学校生活への不安
などが生まれやすくなります。
その結果
• 学習意欲の低下
• 学校生活への不安
• 孤立
• 不登校
につながる可能性があります。
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社会脳という考え方
人間の脳には
社会脳(ソーシャルブレイン)
と呼ばれる働きがあります。
これは
• 共感
• 協力
• ルール理解
• 他者理解
などを担う脳のネットワークです。
社会脳は
身体活動・遊び・集団経験
の中で育つと考えられています。
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社会脳が育つことで期待できる変化
社会脳の発達が進むと、次のような変化が期待されます。
精神面
• 自己肯定感の向上
• 挑戦する意欲の向上
• 感情コントロールの向上
学習面
• 姿勢の安定
• 集中力の向上
• 学習動作の安定
対人関係
• 友だちとの関係改善
• 協力する力の発達
• 学校生活への前向きな姿勢
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子どもの未来のために
子どもたちが安心して学校生活を送り
自信を持って社会の中で生きていくためには
学力だけではなく
発達の土台づくり
が重要です。
子どもの発達環境を見直し
身体活動や対人経験を増やしていくことが
これからの教育にとって重要な視点ではないでしょうか。
具体的な手法など詳しくは書籍の中にまとめています。
書籍案内 詳しくはコチラ
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筆者プロフィール
山崎憲治
発達・教育×脳科学統合理論 実践研究者
S.パワーキッズプログラムプログラム代表|北九州市
子どもの発達・運動・社会性の関係に関する実践研究と指導に長年携わり、子ども達の変化事例をもとに発信を行っている。
参考図書・資料
文部科学省
「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
厚生労働省
「人口動態統計」
ユニセフ
「子どもの幸福度に関する報告書」
ジョン・J・レイティ
『脳を鍛えるには運動しかない!』
マシュー・リーバーマン
『社会脳とは何か』
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山崎憲治
発達・教育×脳科学統合理論実践研究者



