子育て世代、知っておきたい。 子どもの運動の必要性やその効果!!
某マ〇クチェーン店等飲食店等迷惑行為を「発達の土台」から考えてみる
― 教員志望者減少と“コロナ世代”が示す構造的課題 ―
近年、飲食店での迷惑行為や集団での逸脱行動が社会問題となっています。
マ〇ドナルドでの近隣中学校生出入り禁止。
某回転寿司チェーン店での迷惑動画投稿。
私たちはつい、「モラルの低下ではないか」と考えてしまいます。
もちろん、迷惑行為は許されるものではありません。
しかし、それを道徳の問題だけで説明することは、少し早いのかもしれません。
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データが示している現実
文部科学省(令和4年度)の調査では、
・不登校児童生徒数:約30万人(過去最多)
・いじめ認知件数:約68万件(過去最多)
となっています。
厚生労働省の統計でも、子どもの自殺は依然として高い水準にあります。
さらにユニセフ(2020年)の報告では、日本の子どもの精神的幸福度は38か国中37位という結果でした。
子どもの数は減っているのに、問題指標は増えている。
この状況は偶然なのでしょうか。
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教員側にも起きている変化
文部科学省の教員採用試験データを見ると、志願倍率は長期的に低下傾向にあります。
また、精神疾患による教員の休職者数は年間約6,000人規模にのぼります。
子どもだけでなく、教育現場全体が疲弊している可能性があります。
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コロナ世代という視点
2020年以降、子どもたちは休校や活動制限を経験しました。
・外遊びの減少
・対面交流の制限
・共同活動の縮小
発達にとって重要な「経験の量と質」が一時的に失われた世代でもあります。
もし特定の時期に必要な経験が十分でなかった場合、その影響が後年に現れる可能性は否定できません。
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衝動と脳の発達
衝動制御や将来予測は、脳の前頭前野の働きと深く関係しています。
前頭前野は、
・待つ
・抑える
・結果を想像する
・感情を整える
といった機能を担います。
しかし、この領域は生まれつき完成しているわけではなく、経験によって成熟していくと考えられています。
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社会脳と身体経験
他者の立場を想像する力や、場に合わせて行動を調整する力は「社会脳」と呼ばれるネットワークと関係しています。
近年の研究では、小脳が運動だけでなく予測や社会認知にも関わることが示されています。
身体を使った共同活動――たとえばキャッチボールのような活動には、
予測 → 実行 → 修正 → 再挑戦
というサイクルが含まれています。
こうした経験が、衝動制御や他者調整の回路と無関係ではない可能性があります。
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発達の空白化
私は、この環境変化を「発達の空白化」という言葉で表現しています。
誰かを責めるためではありません。
社会が便利で安全になった一方で、自然に育っていた経験が減っているのではないか、という問いです。
もし発達の土台となる経験が不足しているのであれば、
その影響が行動として表れることは十分に考えられます。
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責める前に、構造を見直す
迷惑行為を擁護するつもりはありません。
しかし、個人を責めるだけでは社会は変わりません。
モラル教育の強化だけでなく、
・発達の土台をどう整えるか
・社会脳をどう育てるか
・コロナ世代をどう支えるか
・教員をどう守るか
といった構造的視点が必要ではないでしょうか。
未来を守るために、今一度「土台」から考える必要があると感じています。
3月5日発売
(本書では、発達の空白化・逆行現象と社会脳の育成について体系的に整理しています)
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筆者プロフィール
山崎憲治
発達・教育×脳科学統合理論 実践研究者
S.パワーキッズプログラムプログラム代表|北九州市
子どもの発達・運動・社会性の関係に関する実践研究と指導に長年携わり、子ども達の変化事例をもとに発信を行っている。
■ 参考資料・文献
【公的統計】
・文部科学省
「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等調査」
・文部科学省
「教員採用試験実施状況」
・文部科学省
「教職員の精神疾患による休職者数等の状況」
・厚生労働省
「人口動態統計(自殺者数)」
・ユニセフ・イノチェンティ研究所(2020)
『レポートカード16 子どもの幸福度』
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【脳科学・発達研究】
・ローチ N.T. ほか(2013)
「人類の投擲能力の進化」
Nature(ネイチャー誌)
・ヴァン・オーバーワル J. ほか
「小脳と社会認知:メタ分析レビュー」
Neuroscience & Biobehavioral Reviews
・ダイアモンド A.
「身体活動と実行機能の関係」
Current Biology
・セバンツ N. ほか
「共同運動(Joint Action)の認知的基盤」
Cognitive Science



