習字道具 ~下敷きについて~
子供たちと書を楽しんでいる幸山緑風です。
今回は墨・墨液についての私の考えです。
先日 お稽古が終わって生徒さんのお母様が来られて、
「先生 学校で書いたら、何故か字がにじむんです。半紙が悪いのでしょうか?」
と尋ねられました。
私の教室では、墨液も半紙も用意していて、それを使ってもらいます。
すぐにピンときました。
「もしかして、お洗濯で落ちるタイプの墨液を使ってありませんか?」
やはりそうでした。
何度か、生徒さんがそのタイプの墨液を持ってきて、書いたとき、不自然ににじみ、
また色も黒に見えなかったのです。
私が最初に通った熊本の書道教室は墨液は使わず、墨を磨っていました。
まだ3歳だった私は最初は上手く磨れず、先生のお嬢さんが磨ってくれました。
あの墨の香りと水が硯の上で少しずつ、濃くなっていくのをはっきりと覚えています。
私が書を好きになったきっかけに墨の香りがあります。
現在、私の教室でも墨液でかいてもらっています。
以前から、いつか みんなと墨を磨って、香りも楽しみたいと思っていますが、なかなか実現していません。みんなとお稽古する時間がもっと欲しいです!
学校や家庭で書くときも墨液でも墨の香りがして、書きやすいものをと思います。
特別に高価でなくても良いと思います。
私が愛用しているのは、古梅園の「紅花墨 五つ星」です。
墨を磨ることは、筆を持つ前の準備であり、心が落ち着き、またイメージが膨らみ、時には、お手本をよく観てと大切な時間です。
子供たちはどうしても墨を溢したり、洋服を汚したりして大変ですが、汚れても大丈夫な服を着せてあげたり、エプロンやスモックをつけてあげてください。
できるだけ、本物を良いものを感じて欲しいと思います。
幸山緑風習字教室 http://ryokufusyuji.com/