公的な土地の評価額(不動産の基礎知識4)
土地・建物を買うときの注意点
例えば、マイホームを買うときに、あなたはどんなことに注意していますか?
自分たちのライフプランなどから、予算や取得するエリアを決定したら、複数の対象物件の情報を集めて比べてみますよね。
では、どのような項目について情報を収集して比較すればよいのでしょうか。
不動産投資の専門用語にデュー・デリジェンスという言葉があります。
デュー・デリジェンスとは?
デュー・ディリジェンス(Due Diligence)とは、投資などに際して行われる、対象物の調査、分析、審査のことです。
不動産の取引に際しては、土地や建物の状況を把握する物理的状況調査、権利関係を把握する法的調査、マーケティングを把握する経済調査など、多面的な調査と幅広いリスク分析をする必要があります。
一般の方が不動産を買ったりする場合にも、このデュー・デリジェンスが参考になります。
以下のデュー・デリジェンスの項目から、自分たちに必要な項目をピックアップして比較表をつくると、チェック漏れも防げて対象物件を効率的に絞り込むことができます。
デュー・デリジェンスの項目
⑴物理的状況調査
①土地関連調査
所在、地番、地目、地積、隣地との境界確認、地質、地盤など
②建物関連調査
所在、家屋番号、建物構造、耐震調査、用途、床面積、建築時期、外装・内装・屋上・外構など、設備関係、再調達価格、維持・保全・修繕費用、改修・修繕履歴、建築基準法との関係、アスベスト等の有害物質
③環境関連調査
騒音・振動、土壌・大気汚染、危険・嫌悪施設、地中埋設物、地震等災害関連
④地域関連調査
交通、エリア評価(学区など)、再開発の有無、道路計画、新規交通利便性(地下鉄等の新路線の開通や新駅の設置など)、人口推移、地域特性
⑵法律的状況調査
①権利関係調査
登記記録等による調査
(所有権、区分所有権、共有持分、地上権の設定状況、抵当権、根抵当権など)
②賃貸借契約関連調査
契約当事者名、契約内容、条件、契約期間など
③占有関係調査
占有状況、占有者名など
⑶経済環境調査
①賃料収入および経費関連調査
賃料収入、賃料相場、運営支出およびこれらの過去の実績
②テナント調査
テナント名、個人(職業・年齢)、法人(業績)
③市場分析
経済、金利、税制、行政などの社会的要因
不動産賃貸および売買市場の動向、空室率、賃料・経費の変動状況など
⑷対象不動産の収支予想と価格の査定
⑴から⑶の調査を通じて得られた情報をもとに将来の収支を予想します。
収益物件に関しては、収益還元法を中心とした対象不動産の価格査定を行うことになります。