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公的な土地の評価額(不動産の基礎知識4)

井川卓

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テーマ:不動産の基礎知識

公的土地評価

行政庁が公表している公的な土地の価格は、以下の4種類であり、それぞれ評価の目的、評価方法、価格の定義、決定機関、基準日、発表日、閲覧場所、評価割合が異なっています。
1.公示価格
2.基準地標準価格
3.相続税路線価
4.固定資産税評価額

1.公示価格(公示地価)

⑴価格の定義
 ・指標として公示するために、一定の基準日における標準地(個別の地点)について、鑑定評価によって求められた適正な更地としての価格
⑵評価の目的
 ①一般の土地の取引価に対する指標
 ②公共事業用地の適正補償金の算定基準
 となる等により、適正な地価の形成に寄与すること
⑶評価方法
 ・標準地について2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、国土交通省に設置された土地鑑定委員会がその結果を審判し必要な調整を行って正常な価格を評定し公示する
⑷決定機関
 ・国土交通省
 ・土地鑑定委員会
⑸基準日
 ・毎年1月1日
⑹発表日
 ・3月下旬
⑺閲覧場所
 ・市町村役場
⑻評価割合
 ・100%

2.基準地標準価格(都道府県調査地価)

⑴概要
 ・国土利用計画法に基づき公表され、公示地価と評価、公表の内容、評価手順などの類似性が高く、公示地価と合わせて一般の土地取引の指標となっている
⑵評価の目的
 ①国土利用計画法による土地取引の適正かつ円滑な実施
 ②一般の土地取引の指標
⑶評価方法
 ・都道府県知事が、選定した基準値について、1人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し必要な調整を行い、標準価格を判定する
⑷決定機関
 ・都道府県知事
⑸基準日
 ・毎年7月1日
⑹発表日
 ・9月下旬
⑺閲覧場所
 ・所轄の市町村役場
⑻評価割合
 ・100%

3.相続税路線価

⑴概要
 ・路線価図および評価倍率表から構成される「財産評価基準書」によって公表
⑵評価の目的
 ・相続税、贈与税、地価税の課税
⑶評価方法
 ・国税局長が、市街地地域において公示価格、精通者意見価格、売買事例価格などをもとに、各路線各地域のバランスをとって路線価を評定する
⑷決定機関
 ・国税局長
⑸基準日
 ・毎年1月1日
⑹発表日
 ・7月1日ごろ
⑺閲覧場所
 ・所轄の税務署
⑻評価割合
 ・80%

4.固定資産税評価額

⑴概要
 ・固定資産税等の課税のため、地価公示価格の7割をめどに市町村長が算出
 ・3年に1度評価替え
 ・主に路線価方式を採用
⑵評価の目的
 ・固定資産税等の課税
⑶評価方法
 ・売買事例価格から求める正常売買価格をもとに適正な時価を求め、これに基づき評価額を算定
⑷決定機関
 ・市町村長(東京都23区については東京都知事)
⑸基準日
 ・基準年度(3年に1度)の前年の1月1日
⑹発表日
 ・3月1日(基準年度は4月1日)
⑺閲覧場所
 ・所轄の市町村役場(東京都23区については都税事務所)
⑻評価割合
 ・70%

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井川卓
専門家

井川卓(司法書士)

司法書士・行政書士 アワーズ事務所

登記に関わる書類を作成する司法書士と、国や地方自治体などの行政機関に提出する書類を作成する行政書士の二種類の書士業の資格を持つため、別々の事務所に依頼することなくワンストップで相続に関する問題に対応。

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