遺産分割の種類、現物分割、換価分割、代償分割(相続の基礎知識19)
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議が終わって、それぞれの相続人が取得する財産が確定したら、遺産分割協議を作成しましょう。
遺産分割協議書は、
①後日の紛争予防のための証拠書類
②個別の相続財産の名義変更などの添付書類
として必要になります。
遺産分割協議書のひな型
遺産分割協議書
平成28年12月1日 Xの死亡により開始した相続につき、共同相続人A、B及びCは、Xの遺産を次のとおり分割することに合意する。
1.相続人Aは次の遺産を取得する。
⑴福岡市南区高宮○丁目○番○ 宅地 123.45平方メートル
⑵同所同番地所在 家屋番号 〇番
軽量鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建 1階 75.00平方メートル
2階 50.00平方メートル
2.相続人Bは次の遺産を取得する。
⑴○○銀行高宮支店(普通預金・口座番号1234567)に預託してある預金債権の全部
⑵普通乗用車
車名 トヨタプリウス
登録番号 福岡あ12-34
車台番号 ABC10-123456
3.相続人Cは次の遺産を取得する。
中央電力 株式5,000株
4.本協議に記載なき遺産及び後日判明した遺産は、相続人Aがこれを取得する。
上記のとおり協議が真正に成立したことを証するため、この協議書3通を作成して各自署名押印し、各1通を所持するものとする。
平成29年7月3日
住所 福岡市南区高宮○丁目○番○
相続人A(亡Xの妻) ㊞
住所 東京都杉並区和泉1丁目2番
相続人B(亡Xの長男) ㊞
住所 神戸市東灘区向洋町1丁目2
相続人C(亡Xの長女) ㊞
遺産分割協議書の注意事項
特に法令によって定められた書式はありません。
後日の相続登記などの個別の相続手続きの際や紛争防止の観点から、以下の点に注意して作成しましょう。
①相続人全員が署名(記名)・押印します。
②押印は、印鑑証明書に登録した実印を用います。
③2枚以上になったら契印を押します。
④住所の記載は、住民票や印鑑証明書の記載のとおり正確に書きます。