遺産分割協議の方法、基準、効果(相続の基礎知識18)
遺産分割方法の種類
遺産分割は、遺言による相続分の指定があれば指定相続分に従って分割されます。
指定がなければ、法定相続分を原則に、特別受益や寄与分を考慮したうえで行います。
遺産分割の方法には、次の3つの種類があります。
①現物分割
②換価分割
③代償分割
これらの方法を組み合わせて遺産分割することも可能です。
現物分割
自宅の土地・建物は配偶者、自社株は長男、A銀行の預金は長女といったように、個別の財産について、相続する数量、金額、割合を決めて分割します。
あるいは、一つの土地を相続分に応じて分筆し、それぞれの相続人単独の相続登記を行います。
しかし、例えば土地・建物と自社株と銀行預金の評価額に大きな差があると、一部の相続人を満足させることができないかもしれません。
現物分割だけでは、相続分を公平に満たすことは難しいでしょう。
このように現物分割が難しいときには、次の換価分割や代償分割によるか、これと組み合わせて分割をすることになります。
換価分割
遺産の全部または一部を売却するなどして金銭に換えて、その代金を分割する方法です。
この方法が、最も公平に相続分に応じて分割することができますが、換価のための手間や費用がかかります。
代償分割
共同相続人のうち特定の者が遺産を取得して、その代わりに遺産を取得した者が自分の財産を他の共同相続人に支払う方法です。
①遺産が自宅の土地と建物だけ
②自社の株式を分散したくない
というようなケースで行われます。
遺産を取得する相続人は、他の相続人に支払う代償財産を用意しておかなければなりません。
遺産分割のやり直し
相続人全員が合意すれば、遺産分割協議自体はやり直すことが可能です。
しかし、遺産分割のやり直しをすると、税務上新たな課税関係が生じる場合がるので注意が必要です。
また、遺産分割で代償分割することになったが、代償財産を支払ってくれないなどの債務不履行があったとしても、そのことによって遺産分割協議の無効を主張することはできません。
遺産分割は、「慎重」に行いましょう。
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