遠近レンズは度数がわからない?
通販やネット販売をしていない眼鏡専門店は多くあります。
これは、通販やネット販売を行うノウハウがないとかではなく、
ちゃんとした理由があります。
この辺りは、眼鏡専門店、とくに資格を持っている方が働いている店は
やっていないんではないかと思います。
多くの眼鏡店が通販・ネット販売をしない理由
理由は主に3つと思います。
①眼鏡技術者協会が禁止していること
②メガネを作製するために必要な『ヒアリング』『検眼』『加工』『調整やフィッティング』などのうち、『加工』以外の作業ができないこと
③購入後の定期的なメンテナンスができないこと
個人的には、この辺りをカバーできて、協会も通販やネット販売を認めれば、
こういう時代なので、通販やネット販売しても良いのではないかとは思います。
なぜ協会が禁止しているのか?
推測しかできませんが、主には②③の理由がそれにあたるのではないかと思います。
『ヒアリング』『検眼』『加工』『調整やフィッティング』『定期メンテナンス』などを含めて、
初めて、一般医療機器としてのメガネになり、それができないと不具合が発生します。
メガネフレームを個人の顔に合わせるためにはフィッティングが、
レンズも度数やPDだけでなく、目的や使用状況などにより選定する必要があります。
逆に言えば、この辺りをカバーできれば、問題ないかなとも。
通販やネット販売は法律違反?
協会が禁止していると言うと、法律違反だと思われる方がおられますが、
そうではなく、法的な罰則もないです。
あくまでも、協会が禁止しているというだけです。
そのため、賛否はありますけど、通販やネット販売をしている店もよく見かけると思います。
ただ、唯一の罰則としては、あまりにも悪質と判断された場合、
眼鏡関連の唯一の資格である『認定眼鏡士』が剥奪されることはあります。
つまり、メガネがどういうものか理解できていないと判断され、
資格を持つに相応しくないと判断されてのことだと思います。
ただし、2022年より、協会の『認定眼鏡士』が廃止され、
国家資格『眼鏡作製技能士』が開始されたことにより、その罰則もなくなるとは思います。
通販やネット販売で、ちゃんと医療機関との連携が取れるものなのかは疑問ですけど。
それでも、通販やネット販売をしている店は見かけるけど?
眼鏡店の店員が全員資格を持っているわけではないです。
つまり、唯一の罰則が資格の剥奪なら、逆に言えば資格を持っていない店なら、
特にお咎めはなく、できるということになります。
また、フレームやレンズのみなら、販売しても問題はないとも思います。
理由としては、フレームやレンズのみなら、メガネではないし、
結局は眼鏡店に持っていかないと使えないので。
通販やネット販売で購入して困ること
お客様が一番困られるのは、理由の③だと思います。
通販やネット販売で購入されたものは、なかなか、他の店に持ってきにくい
という心情はあると思います。
ネットで購入したというお客様の話を聞くと、
勇気を絞って持ち込んだという方もチラホラ。
眼鏡店側としては、そこまで気にしてなく、困っているのであれば、
ある程度の物ならば対応したいと思ってます。
ただ、『古いまたは、型落ちで劣化している』『亀裂などがある』『素材が悪い』など、
フィッティングすらできないものを持ってこられることが多く、
眼鏡店側も困ることはあります。
お互いに困るなら、通販やネット販売のメリットってなんだろうと思います。
まとめ
当店では、『協会が禁止していること』『度数やPDの数値だけでは、正確なメガネが作成できないこと』『定期的なメンテナンスができないこと』以上、通販やネット販売はやらないと決めてます。
ただ、私自身も、資格を取得する前までは、『なんで、今の時代に、通販やネット販売くらいしないのか?』と思ったくらいです。
今の時代なので、各眼鏡店独自の考えで、それに責任を持てるのであれば、
問題ないのではないかと、個人的には思います。
次は『サングラスとメガネレンズのUVカット』について