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コラム

落下した(衝撃を受けた)腕時計はどうしたら?

2021年1月4日

テーマ:メンテナンス事例

コラムカテゴリ:くらし

裏蓋外れ
多くの人にとって日常生活に欠かせない存在の腕時計は思いの外 過酷な条件下で使用されています。
・手洗い、家事の際の水圧 ・机の角や物にぶつかったとき ・落とした時・・・等々
今回は落下等による衝撃が時計に与えるダメージについてお話しします

裏蓋が外れてしまったとき

1)目に見える不具合なので正直慌ててしまうと思いますが
まず 周りを見渡して小さな部品等が落ちていないか確認して、拾っておくこと。
2)機械部分に指紋をつけたりしないように注意して裏蓋をそっと合わせてセロテープなどで裏蓋をケースに取り付ける応急処置をしてください。
3)針が曲がってないか確認します。目視ですぐに分からないような僅かな「曲がり」や針の「浮き」でも、ガラスを擦ったり・文字盤を擦ったり、針同士が当たって動かなくなってしまうことがあります。できればリュウズ(時間合わせのボタン)を引いて時計の運針を止めた状態にしておいた方が損害を最小限に抑えられます。
4)その後、ホコリや湿気が時計内部に入らないよう出来るだけ早く最寄りの時計店にお持ち込みください

ガラス(風防)が割れてしまったとき・針が外れてしまった時

ガラスが割れて欠けてしまっている場合はガラスの破片や粉が文字盤の上に散乱していたり、中央の針の支柱の穴から機械内部に入り込んでしまっている可能性があります。すぐに リュウズを引き時計の運針を止めてください。文字盤の上にガラスが散乱したままですと針がガラス片を引きずって針曲がりや文字盤の傷に繋がります。

時計店では何が出来るのか・何をしてほしいのか

「時計を落として裏蓋が外れました。蓋を閉めてください」
お客様が希望されるのは、現在動いているから そのまま裏蓋を閉めればよいということでしょう。しかしながら裏蓋が外れるほどの、ガラスが割れるほどの衝撃を受けてしまった時計です。「文字盤の足折れ(文字盤を機械に固定する為の細いピン)」「針曲がり」「ガラス粉の侵入」「リュウズ曲がり」「針の緩み」「機械汚れ、埃の侵入」等 落下が原因の不具合が生じている可能性もあります。また落下が直接の原因ではなくても「電池からの液漏れ」や「潤滑油の劣化」など経年による不具合が始まっている場合もあります。
上記不具合を出来るだけ早く見つけてお客様のお伝えするのが時計修理を生業とするものの使命と思い、弊社では「裏蓋閉め」のみでは受付ず、「機械診断も含めての裏蓋閉め」で行っております。損傷を最小限に抑えるためにも出来るだけ早くそして時間の余裕をもってご来店ください

この記事を書いたプロ

衞藤憲太郎

時計修理、修復とビフォーケアのプロ

衞藤憲太郎(株式会社ハナブサ)

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