北九州の設計事務所GREEN ROOM DESIGN|ちょっとした仕掛けが居心地の良い場所をつくる

リノベーションでは、新しいものを取り入れることが注目されがちです。
でも私は、「残すこと」も同じくらい大切だと思っています。
この住宅には、お母様が長年使われていたダイニングテーブルがありました。
家族で食事を囲み、何気ない会話を重ねてきたテーブルです。
母が暮らしていた家から、息子さん家族が暮らす家へ。
住む人が変われば、暮らし方も変わります。
だからこそ、このテーブルに少しだけ手を加え、新しい空間の中で再び使うことにしました。
新品の家具にはない、年月を重ねた木の表情。
使い込まれた傷や風合いも、この家が歩んできた時間そのものです。
家づくりやリノベーションは、建物を新しくすることだけが目的ではありません。
これからどんな暮らしをしたいのか。
家族はどんな時間を過ごしたいのか。
そんな暮らし方を改めて考えるきっかけになることも、大切な役割だと思っています。
受け継ぐものと、新しく変えるもの。
そのバランスを丁寧に考えることで、その家らしさは未来へとつながっていきます。
このテーブルもまた、新しい家族の時間を静かに見守り続けてくれることでしょう。


