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ミュシャの美しいデザインを彫っています ⑤ 【 装飾硝子 建具用 アルフォンス・ミュシャ 】

2022年12月21日

テーマ:エッチングの完成まで

コラムカテゴリ:住宅・建物

日に日に寒くなってきて、硝子が氷のように冷たくなってきました。
カッティングシートは固くなり、硝子にピッタリ貼り付いて剥がれなかったり破れたり、
作業のやりにくい冬がやってきました。

これは少し前に完成しました。

ミュシャの美しいデザインを彫っています ④ からの続きです。

彫る工程が終ったら、薬品処理(腐食加工)で仕上げます。
薬品処理で仕上げることでエッチングしたスリガラス状態の白っぽい部分が、しっとりと艶やかな半透明状態に変わります。
見た目が美しいだけではなくて、汚れが付きにくく汚れが取れやすいメリットがあります。

アルフォンスミュシャ ガラスエッチング 装飾硝子 ガラス扉 硝子工芸

作業台が邪魔して分かりにくいのですが、半透明になっているのが分かりますか?

彫っただけだと↓こんな感じです。

アルフォンスミュシャ ガラスエッチング 装飾硝子 ガラス扉 硝子工芸

これだと手あかがつくと取れないし、ガラスクリーナーなどで拭いても吹きムラが残りやすいのです。

半透明になるので立体感も出てきます。

アルフォンスミュシャ ガラスエッチング 装飾硝子 ガラス扉 硝子工芸


ゴージャスなアクセサリー↓

アルフォンスミュシャ ガラスエッチング 装飾硝子 ガラス扉 硝子工芸

細かいチェーンも丁寧に彫っています。
実際のチェーンより小さいかもしれませんね。

アルフォンスミュシャ ガラスエッチング 装飾硝子 ガラス扉 硝子工芸

完成したエッチングガラスは、マンションのガラス扉にはめ込まれるそうです。
このエッチングを入れるために、木枠を作り直したのだそうです。

エッチングを入れるためには、最低でも5ミリの厚さが必要です。
もともとのガラスが3ミリだったため、ガラスの厚みに合わせて作り替えたのだそうです。

原寸原稿を扉に貼り付け、女性の顔の位置を指定していただきました。
フルオーダーだから出来ることです。

お気に入りのエッチングガラスが入ったお部屋は、心地良い空間になると思います。
無事に完成してホッとしました。

この記事を書いたプロ

松岡順子

ガラス彫刻デザインのプロ

松岡順子(株式会社 クライミング)

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