【0円リフォーム】リフォーム費用を合わせて借り換えをすれば返済額が変わらないケースも!
金利上昇傾向にあるのは固定金利のみ
日銀は先月末に開いた金融政策決定会合で、長期金利の上昇を容認しました。
7月の会合では「1%」でしたが、今回の会合では「1%めど」とし、1%を一定程度超えることを容認するということでした。
そして今月は、大手都市銀行をはじめ各銀行で固定金利が引き上げられました。
固定金利はもう何ヶ月も連続して引き上げられています。
一方で変動金利は依然として据え置かれている状況が続いています。
しかし、住宅ローンを変動金利で借りて返済中の人には「そのうち変動金利も上がるのでは?」「今のうちに固定金利に借り換えた方がよいのでは?」と考える人もいるでしょう。
そこで、現在の状況で「変動金利から固定金利に借り換えたらどうなるのか」について、お話しいたします。
変動金利から固定金利に借り換えた場合の事例(概算)
例えば、5年前に住宅ローンを福岡県内の地方銀行から変動金利で借りたとします。
内容は以下のとおりです。
・借入金額 4,000万円
・適用金利 年利0.775%
・借入年数 35年
・毎月払いのみ(ボーナス時返済なし)
すると返済状況はこうなります。
月々返済額は約10万8千円です。
4年と11ヶ月目を見ると、元金残高が約3,500万円となっています。
この元金残高3,500万円をフラット35の今月の金利(年利1.96%)で借り換えたとします。
借入年数は、従来の住宅ローンの残り年数に合わせて30年としています。
すると借り換え後の返済はこうなります。
月々返済額は約12万8千円です。
借り換え前より約2万円も上がっています。
しかし注目したいのはそれだけではありません。
毎月の返済で元金がどれだけ減るかですが、借り換え前は約8万6千円の元金が減っていたところ、借り換え後は約7万1千円となっています。
借り換え後は返済額が約2万円も増えているのに、元金返済は約1万5千円も少なくなっているのです。
変動金利はリスクがあるから固定金利で安心したい
固定金利の方が返済額が増えるがそれは安心のための保険
そう考えて固定金利への借り換えを検討する人はいるでしょうが、このケースの「保険料」はかなり高い金額ではないでしょうか?
よってこのケースの場合、断言はしませんが「借り換えをしなくてもよいのでは?」と思っています。
理由は高い「保険料」に加えて、もう一つ問題があるからです。
借り換えにおける最大の注意点「諸費用がかかること」
先ほどの事例は、住宅ローンの残高だけを固定金利に借り換えたケースです。
3,500万円をフラット35に借り換えた場合、以下の諸費用(概算あり)がかかります。
①フラット35の融資手数料(融資額の2.2%の場合) 770,000円
※窓口金融機関によって手数料の金額は異なります。
②フラット35の金銭消費貸借契約にかかる印紙代 20,000円
③借り換え前の銀行にかかる全額繰り上げ返済手数料 22,000円(概算)
※銀行によって手数料金額は異なります。
④経過利息(直近の返済日から全額完済までの利息) 25,000円(概算)
※日数によって異なります。
⑤フラット35の抵当権設定登記費用 220,000円(概算)
⑥借り換え前の銀行(保証会社)の抵当権抹消登記費用 15,000円(概算)
以上で約107万円の諸費用がかかる計算です。
先ほどの借り換えシミュレーションは、この諸費用を自己資金で払った場合です。
この諸費用のほとんどをフラット35の借入に上乗せすることは出来ますが、そうすると毎月の返済金額が更に上がります。
例えば100万円を増額した場合、毎月の返済金額が約3,600円ほど上がるのです。
変動金利の上昇は日銀の金利政策次第
住宅ローンの固定金利が最近上昇を続けている背景には、長期金利の上昇があります。
変動金利は長期金利ではなく政策金利の動向によって影響を受けるので、据え置かれている状況が今も続いているのです。
日銀が政策金利を上げるとすれば、それは社会全体の賃上げ傾向が進む時だと思われます。
アメリカ、イギリス、EU諸国などは、2008年のリーマンショック以降政策金利が急降下して長年低金利政策を取ってきましたが、コロナ禍を経て景気が急上昇し、昨年から今年にかけて政策金利を上げ続け、今ではリーマンショック前の政策金利に戻している国も多いと言えます。
(アメリカの政策金利はリーマンショック前の金利をはるかに上回っています)
日本の現在の政策金利はー0.1%です。
リーマンショック直前は0.5%でした(これは他国と比較すると異常に低金利だと言えます)。
その頃住宅ローンの変動金利の基準金利は、今より0.4%ほど高い金利でした。
よって日本も賃金上昇によって景気が回復すれば、来年あたり住宅ローンの変動金利上昇の可能性は否定できません。
ただし今後よほどの賃金上昇、そして景気上昇がない限り、変動金利が大幅に急上昇することは考えにくいと思っています。